「2025年の崖」の警鐘に応えて
日本企業で働く
社長から社員まで
全員必携

新日本版6シグマ経営
ガイドブック


第2章
日本企業の国際競争力
「世界No.1」の地位奪還を目指して

1日本企業は
 国際競争力が50位台以下、悲惨な低落が続く!
 

 日本のもの作りは、1980年代、品質管理の面でアメリカを圧倒していた
。それは日本企業の「和と協調」を重視し、情報を共有し、競って知恵を出し合う「QCサークル」の活動によるものであった。それはまた、世界の上司の「指示・命令」で動く管理された組織に対する日本の「ボトムアップ型組織」の勝利でもあった。
 
 しかし今日、アメリカは、従来型大企業の再生とベンチャー企業の創出によって、再び世界市場を大きく支配することになった。今日のアメリカをはじめ世界企業の復活は、J・ウェルチの「IT時代に合致したビジネスの仕組みをつくる」という「6シグマ経営」の様々な成功から学ぶ「ベスト・プラクティス運動:Best Prac
tice」の広がりによってもたらされたと言って過言でない。

 日本でも、2000年に入るや、J・ウェルチの経営哲学や手法の翻訳本がどっと紹介され、「6シグマ」の導入戦略書や実践マニュアル書も次々と出版され、多くのトップクラスの企業が導入することになった。しかし、21世紀に入って、「6シグマ」が日本のトップ企業に定着し、中小企業から小規模企業者の経営にまで広まることはなかった。
 やがて、世界は本格的なIT時代を迎えることになった。今日、日本企業の多くは、これまで強味としてきた「和と協調」のボトムアップ型組織の力を活かせず、「6シグマ経営」の導入も未消化、IT時代への取組みにも遅れをとっている。
 2021年の日本企業の生産性・効率性等の国際的な競争力順位は、かつての世界トップの地位から悲惨な50位台へと転落し、停滞したままである。これは、「日本の企業」のみならず「日本の国家」の危機そのものである



2経済産業省
 DX推進ガイドラインを発表
 

 経済産業省は、日本企業の国際競争力の低落を受けて、2020年「DX推進ガイドラインを発表し、「DX」を次のように定義している。
 「DX:Desital Transformation」とは、ビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用し、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデル、企業の組織文化を変革し
、競争上の優位性を確立することである。 そして「DXを進めるための課題を克服できなければ、将来的に大きな損失を生むことは容易に予測できる」として、これを「2025年の崖」と表現して、警鐘を鳴らしている。
 

 ベルヒュード研究会にとって、J・ウェルチの「6シぐマ経営」との出会いは衝撃的であり、大きな感動であった。「日本企業の国際競争力アップ」という問題意識で取り組んできた「M5型組織」と「M5型問題解決技法」は、J・ウェルチの「6シグマ経営」の「People Out」と「Work Out」という「2本の柱」に通じるものであった。
 しかし、経済産業省の「2025年の壁」の警鐘を受け、日本企業は、J・ウェルチの「6シグマ経営」を率直に学び直し、確かな
を「道具」を自前のものにしなければならない。それは、「M5型組織」が具備すべきとした「M5型問題解決技法」を、ボトムアップ型「新日本版6シグマ経営」のための「BST(Belhyud Solu
tion Technoloogy)プログラム」へとバージョンアップすることである。

 「BSTプログラム」を道具として、「顧客の声」と内部の「不良要因」を把握し、「DX課題」を「6シグマ戦略課題」として設定し、その解決に取り組み、製品やサービス、ビジネスモデル、組織文化を変革し、競争上の優位性を確立する。それは、
経営の「6ΣX(シックスシグマトランスフォーメーション)の一環でもあるということができる。



日本企業のビジネス効率性
(2021 世界競争力年鑑)






3J・ウェルチの「6シグマ経営」に再び学んで
 
ボトムアップ型「新日本版6シグマ経営」の提案!

 
 
経済産業省が「DX推進ガイドライン」を発表した年、ベルヒュード研究会は思わぬ著書との出会いがあった。アメリカ最大級の研修会社フランクリン・コヴィー社の日本支社長ジェームス・スキナーの「史上最強のCEO(フローラル出版)」である。

 表紙には、「国内で初日に100万部突破!!!」という大げさ過ぎるコピーが踊っているものであったが、著者は、経営に悩む日本のさまざまな会社の社長に率直に呼びかけている。

ーあなたのリーダーシップで会社をイノベーションし、顧客、従
 業員、銀行、株主、規制当局、周りのコミュニティからの信頼
 を勝ち取れ。

ー商売の領域を狭くしてトップシェアをとり、顧客を満足させ、
 利益を上げ、世の中に貢献することだ。

ージャック・ウェルチや松下幸之助があなたの会社を経営してく
 れるなら、たちまち業績が激変するにちがいない。

ーイノベーションには「道具(手法)」が必要だ。あなたの会社
 の唯一の問題は、社長あなた自身がこの「道具(手法)」を勉
 強し、自ら変わることだ!
 
 
ベルヒュード研究会が取り組んできた、日本企業の国際競争力アップという問題意識に基づいた「M5型組織」は、J・ウェルチの「People Out」に、「M5型組織」が持つ「M5型問題解決技法」は「Work Out」のための「DMAIC」に、さらにはジェームス・スキナーの言う「道具」に通じるものであった。
 
 我々は、「DX推進ガイドライン」の「2025年の崖」を日本国家の危機と捉え、J・ウェルチの「People Out」と「Work Ou
t」を一体化した「
6シグマ経
営」を再び学び直し、日本がビジネス競争力「世界No.1」の地位を奪還するための
ボトムアップ型「新日本版6シグマ経営」を提案し、そのための「道具」として、「M5型組織」が持つ「M5型問題解決技法」をより簡便で確かな「BSTプログラム」へバージョンアップすることとした。
 
 それは、簡略化した「W型問題解決フロー」に沿って、全部門、全社員が
経営の「No.1,2戦略」、「経営方針、目標」を共有化し、「顧客満足:CS」を第一として、「顧客の声:VOC」と
内部の「不良要因:CTQ」をもとに、「6シグマ戦略課題:SS
P」を設定し、その解決に取り組む全社的な問題解決経営のための「道具」である。