「Work Out」は
「M5型問題解決技法」
に通じる


ジャック・ウェルチが
気に入った
 「Critical Thinking Approach」
 
    

 日本の企業は「ものづくり」の場面で、品質管理活動を展開し、成功しました。これに対して、アメリカ の企業は、ビジネスのあらゆる業務場面で「問題解決的なアプローチ(Work Out)」をすれば、日本に勝てるという信念で「6シグマ」を展開しました。
 
 ジャック・ウェルチは、「6シグマ」は集中的管理、官僚的、画一的評価という側面が強いという理由で、自分の経営戦略に逆行するのではないかと懸念していました。
 しかし、「業務革新:Work Out」のための手法として、「DMAIC」による「Critical Thinking Approach」を大いに気に入り、1995年、GMの成長、収益、社員の満足度向上を実現する武器として、「6シグマ」を導入する決心をするに至りました。


Critical Thinking Approach
 「DMIC」や「PDCA」も含めて、段階的にいくつかの思考プロセスをたどる問題解決的アプローチ方法を、米国発の問題解決と意志決定技法として有名な「ケプナー・トリゴー法」では、「Critical Thinking Approach」と呼んでいます。

あらためて、「DMAIC」とは

 経営方針、目標を実現するために、各部門の現場が「戦略的課題:6シグマ課題」を設定し、解決に取組む道筋を手順化したものが「Work Out プログラム」です。次の「DMAIC」という「5つのステップ」で構成されています。

D(Definition)
:問題提起 目標と課題の設定、共有化
M(Measurement)
:現状把握 VOC、CTQの把握
A(Analysis)
:分析 VOC、CTQの絞り込み
Improvement)
:改善 解決策の作成、実施
C(Controle)
:管理 成果の維持



M5型問題解決技法に通じる
「Work Out」のための「DMAIC」

 日本の「TQC」にも「PDCA」、つまり「Plan -Do-Check-Ation」という4つのサイクルがあります。「DMAIC」との違いを言えば、「Definition」と「Plan」の解釈の部分にあるのではないか。

 日本の「TQC」における「PDCA」は、現場の「M5型組織」ともいうべき自発的でボトムアップ的な「品質管理小集団」の活動に一般的な問題解決アプローチ方法でした。
 「Plan」は、現場の主体的なやる気に依存し、それなりの問題意識とがんばりで、成果が出れば、それはそれで評価されました。しかし、些少な記念品や金一封が出る程度でした。
 
 今日の日本企業にあっても、既存事業のコストダウンに向けた業務革新や新規事業の創出は重要な経営課題です。ベルヒュード研究会は、「PDCA」を「KJ法」を活用した「W型問題解決フロー」の視点から、「M5型組織」のための「STプログラム」として、「M5型問題解決技法」を体系化しました。
 
 経営と各部門が一体となった「6シグマ課題:SSP」の設定プロセスは、「DMAIC」における「D:Definition」に相当する部分として重要です。
 「D」のプロセスが充分検討され、経営と現場で共有化されていれば、それだけ、実際的な取組みである「MAIC」の部分が、現場に任される、すなわち「Enpowerment」されることになるからです。


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