管理の出発点
5S

   品質管理、購買管理、工場管理、生産管理など「管理」と言う言葉は大変多く使われている。管理とは、目標とする物が、ある範囲から外れたり、外れそうになったら、原因を調べ、目標とするところへ入るよう対策することである。
 
 野球のピッチャーのコントロールがいいという事は、ストライクゾーンを考えて調整して投げられる能力をいう。そのためには、当然あるべき姿、つまり野球で言うストライクゾーンが明確になっていなければならない。
 品質管理でよく使われる「管理図」に例を取れば、ストライクゾーンを予め決めておき、新しく取ったデータがこのゾーンから外へはみ出したり、これまでにない傾向が見られれば、工程に何らかの異常があると判断して、原因を調べ、その原因を取り除き、元の状態にもどす行動をとる。これが管理である。


管理の出発点は
整理、整頓、清掃、清潔、躾の5S
工場を管理運営する上の基本として、先ず言われるのは「整理、整頓、清掃、清潔、躾」の5Sである。
 これは、工場が美しく整理整頓されておれば、工具が一つ忘れ去られても発見できる。小さなチリが落ちても直ちに分かる。
 工場の状態が、乱雑であれば、そこに少しの変化が現れても、発見することができない。整理、整頓、清掃されていれば、落ちたゴミは管理状態から外れた(異常が起きた)状態であり、少しのゴミでも変化として(異常として)捕らえられ、従って、対策も取られやすい。
 我々の健康についても同じである。人により、少々の差はあるが、体温は摂氏36度位である。もし、体温を測り38度が確認されれば、身体が平常とは違った状態にあることが分かる。
 病院で、最初に体温を測定するのは、異常な状態にあるかどうか見るためである。我々の体温の平均的な数値は、みんな知っており、測定した自分の体温と比較することで、異常か否かすぐに判断できる。
 工場内を整理、整頓、清掃された状態にすれば、先ず、見た目も美しく、通路を歩くにも邪魔になるものがなくなる。少しの変化でも異常でも、発生すれば直ちに発見できるようになる。当然、怪我や事故の発生も少なくなる。ここに「5S」が必要な理由がある。管理は「5S」が出発点である。


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