これまで、20世紀最大の経営者と謳われたジャック・ウエルチの「6シグマ経営」から、企業の業種、規模を超えて、日本の中小企業が学ぶべき、彼の行動原理やGE社の企業文化を探ってきた。
ジャック・ウエルチは、航空機や医療システムのビジネスにおいて、世界的規模での成功をもたらした経営者であるが、彼は「会社が大きかろうと小さかろうと、GE社であろうと、食品雑貨店であろうと、『顧客が満足していない、商品がカビ臭い、品ぞろいが下手、見本がパットしない』では、どちらにとっても打撃だ。大事なことは、『顧客が欲しいと思う商品やサービスを買ってもらうこと』につきるとして、大企業も街の小売商店のように経営すればよい。数字の桁に拘ることはない」と語っている。
ここの社長さんへのレタターでは、日本の中小企業の経営で成功している社長さんへのささやかなご褒美として、引退後の老後に備え「小規模企業共済制度」に加入することを勧めている。
ここでは日本の中小企業の社長さんに、自らの会社の経営にあたって、ジャック・ウエルチを身近な存在として感じてもらい、そして学んでもらいたいという思いから、彼がフランクフルトでの経営者2500人ほどが集まったコンファレンスで、「あなたは引退後、天国に行けると思いますか」という突然の質問に、どう答えたか、そのエピソードを紹介することとしたい。
ジャック・ウエルチは、この質問にびっくりしたが、次のように答えている。「後世の人が私を思い出すとき、あの人は、リーダーシップとは他の人が成長し、成功することを手助けすることだと理解させようとした人だと言ってもらえればいいなと思う。また、率直さと能力主義の熱心な提唱者であり、誰もが機会を与えられるべきだと信じていた人として思い出してもらいたい」。そして、「天国の件だが、そんなことがわかるわけがない。私は決して完全な人間ではない。だが、人々のことを心の底から気にかけ、毎日与えられた人生に全力を注いできたことでポイントが稼げるのなら、私にもチャンスがあるのかなと思う。
でも、あまり早くこのことを知りたいとは思わない、まだまだやることが山のようにある」。
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