日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

お客さんの来訪
振り回されないようにしましょう
 

 先日、新製品のことで来訪したというお客さんの応対に総勢4名が出席するのを目にしました。話の内容にもよりますが、あのように多勢で対応するようなことは、大企業でもめったにありません。 
 御社にとって、開発製品に関心を買ってくれるお客さんは大事にしなければなりません。しかし、あの時のお客さんの話はなんとなく曖昧で、会社として購入を検討したいとか、お客さんを紹介したいとかという話でもなかったらしいですね。場合によりますが、先ず、社長さんが対応して真意を質せばそれで十分でした。最初から忙しい工場長や担当者を何人も同席させたのは全く時間の無駄でした。
 これからは、来訪してくれるお客さんだからと言って、有難がって、振り回されることがないようにしたいものですね。
 


これはというお客とは
一気にいい関係をつくろう!
 お客さんに来訪して戴き、開発製品をPRさせて貰えるというのは有難い話です。しかし、来訪してくれるといっても、歓迎すべきお客さんとばかりは限りません。製品の購入のための調査や交渉が目的でなく、単に情報を探りたいために、お客さんを装ってくる場合もあります。

  来客は事前に連絡してくる場合が普通です。効率よく、気持よく応対するために、遠慮しないで、お客の素性と目的を明確にして戴きましょう。その上でちゃんとした準備もしておかなければなりません。そのためにも、お客さんの来社目的を正しく把握し、分かりやすい資料を準備し、最適な関係者で迎えるようにしたいものです。
 応対する時間も予め決めておきましょう。少人数での効率よい対応が原則です。関係のない人まで巻き込んだ多人数で応対することが礼儀ではありません。来客の目的と違った場合には、その部分は準備していないので話せないと失礼のない程度に断って下さい。
 

 お客の来訪は喜ばしことですが、あわてないで冷静に、自信をもって対応することが重要です。ハッタリを言ったり、遠慮したりしてはいけません。率直でシンプルなコミュニケーションを心掛け、これはというお客とは一気にいい関係をつるくことです。
 お客とのやり取りで入手した情報については、毎日行っている朝会でポイントを説明し、徹底を図ることにしましょう。フォローが必要であれば、全員にきっちり指示しておきましょう。今後どのように対応すべきかについても社内で話し合いをしておくことが大切です。チャンスは確実にモノにしなくてはなりません。(2008.1.11中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
お客さんとのいい関係づくりは
率直でシンプルなコミュニケーションから!

 ジャック・ウエルチは、「GE版6シグマ語録」によれば、「Keep It Simple、Stupid(おい、簡単明瞭(シンプル)にやってくれ」という格言の信奉者である。社員に対してであれ、顧客に対してであれ、小企業が持つシンプルさからくる機敏さ、簡潔さ、敏捷性を大企業であるGE社にいかに取り組むかに腐心している。

 ここでの、日本の中小企業が自ら開発した製品をいかに売り込むかという課題は、ジャック・ウエルチに言わせれば、「中小企業が本来持っているシンプルさこそ武器だ」ということであろう。そして、必要なのはお客との率直で打てば響くようなコミュニケーションだと言うことになるのではないでしょうか。 

 コミュニケーションとは、相互のやり取りである。お客と直接向かい合い、先ずは、開発製品について語る。あとはお客のニーズをいかに引き出すかである。品質は絶対、顧客サービスは最優先課題である。ここでは、聞くことに注力すべきである。その上で、これはというお客とは、社内の総力を上げて合意をめざす。ハッタリを言ったり、遠慮したりしてはならない。率直でシンプルなコミュニケーションを心掛け、相互に対等ないい関係を素早くつくることが求められるのである。


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