日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

中小企業の強みは
社長と社員の情報共有化による問題解決力!

 社長さんは、社外の重要会議には都合をつけて必ず出席されています。このことは、周辺の方々にも高く評価されています。ただ先日、社長スタッフの部長さんと話をしていた際、御社の経営に関係のある重要事項であるにも拘わらず、まったく社内に伝えられていないことがわかり、戸惑いを感じました。
 中小企業の強みは、社員が社長と情報を共有化し、社長の思いや意向と一体となった仕事ができる体制にあるということを思い起こして戴きたいと思います。社長さんが外部の会議で何かを発言したとすれば、社長さんの個人的な意見というより、会社の意向として受け取められるのが普通です
会議や打ち合わせの内容は、期限付きのことが多いものです。電話による問い合わせもあるかもしれません。社長さんが不在の時でも、社長さんに代わって誰かが対応できる、それが社長さんの会社の強みです。


社長の方から社員へ
積極的に情報の発信・伝達を!
  社長さんが外部で発言した重要な内容について、どう受け止められるか、会社としてどう対応するか、社長さんが自ら社内会議で話題にしたいものです。特に、会社の方針と違いがあり、しばらく様子をみたい時は、社内会議で社長としての考え方を徹底し、対応の仕方を整理し、万全を期しておくことが重要です。 

 従来、社長も含めて、部長や課長は、情報を小出しにて部下を管理するものだと考えていました。特に役職者は情報を持っていることで優越感に浸り、情報を持っている自分に従わせようとしていたのです。しかし、重要な情報を独り占めして、部下を管理する時代は終わりました。現在は、憶測に近いような情報でも、電子メールや携帯電話などであっという間に広がります。正しい情報を伝えないことは、逆に不信感に結びつきます。
 社長さん、社長さんのような規模の会社経営では、社員に積極的に情報を発信し、打てば響くような関係をつくることが得策です。情報の発信や伝達がなかったり、遅れたりすると、それだけで不満や不信の原因になります。だからこそ、社長さんの会社では、社長さん自身、常に新しい情報を社員に共有化してもらうことを心がけて下さい。
 こうした社長さん自身のコミュニケーションルールの実行は、社長と社員の間の信頼感、一体感の醸成につながります。社長さんの思いや意向に沿った仕事を社員の皆さんにしてもらえる体制をつくる上でも、これはという情報は、先手を打って社員に発信し、共有してもらうことを心がけて下さい。(2007.12.21 小企業診断士 加藤文男)
 


「日本版6シグマ」からの提案
社長自らが拘ってほしい
  現場への問題解決手法の導入と定着を!

 これまでは、会社組織の運営上の一般的な通念として、情報を出し惜しみしながら社員を監視し、管理するという時代があった。「6シグマ経営」におけるトップと現場が一体となった問題解決型経営とは、トップが仕事の改善に関わるビジョンを明確に示す、即ち、経営に関わる重要な情報を社員に積極的に発信し、伝達することによって、現場にやる気を起こさせる経営である。
 ジャック・ウエルチも、「6シグマ語録」の中で「社員を監視し、管理することでやる気を起こさせ、自信を持たせることはできない」として、「社員に広く語りかけ、話し合いをし、ビジョンを示すことによって、社員がとても無理だ考えていた仕事に挑戦させる、そしてさっさと任せてしまうことが決定的に大事だ」という趣旨のことを語っている。
 ここでは勿論、経緯トップのビジョンのもと、現場が情報の収集と処理を通して、基本的な課題を設定し、一連の実行計画の作成、実施とその進捗管理を通して、確実に成果を生み出す組織の力が問われる。しかし、それはさほど難しいことではない。日本の中小企業の社長として、是非拘って現場に定着させて欲しい、ごく一般的で常識的なアプローチ方法である。
 ジャック・ウエルチも、このことについて、「私は立派なテレビ番組の作り方もわからない、エンジンの作り方もほとんど知らない。しかし、私の一番の仕事は何か、それは現場にやる気を起こさせ、すぐれたアイデアを引き出し、実行し、成果を上げさせる一連のプロセスをサポートすることだ。そして、必要な経営資を投入することだ」と語っている。 


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