日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

息子さんの後継者育成
10年計画の検討から始めよう!

  先日お伺いした際、体調を崩されたとお聞きしましたがその後いかがですか。このような時に、こんな話をするのも恐縮ですが、良い機会だと思いますのでお便りします。  社長さんは、ご自分でも考えておられる通り、まだまだ十分元気に働いて戴けると思います。しかし、同族会社ということで、息子さんへの事業承継の準備を検討され始めてはどうでしょうか。息子さんは44歳、10年くらいはかけるつもりで、じっくり取り組む丁度いいタイミングだと思います。


現場の実務経験のための
ローテーション計画を!
  事業の承継といっても色々なことがあります。先ず、息子さんへの次期社長としての心構えの教育です。従業員への通達のタイミングにも配慮が必要です。事業全体の売り上げや利益見通しも見直す必要があるでしょう。そのためには、現在の基本方針の見直しも必要です。株式会社ですから、持ち株の分配も課題になります。全体を見渡しながら、計画的に準備を始めていく必要があります。

 先ずは、後継者としての実務教育です。息子さんの年齢からして、他社で経験を積ませるより、社内での教育が中心になりますね。社内での教育は、10年間のローテーションで、計画的に幅広く経験を積ませることです。それぞれの職場では、実務に専念させ、同時に問題の発見と改善に取り組んでもらうことです。特に、工場の製造設備や運搬用車輌、原材料や製品の在庫は、メーカーとしての会社の大事な財産です。こうした財産がどのように管理されているか、その実態を把握させ、業務改善をリードしてもらいましょう。
 経理財務については、帳簿の記帳から始めてもらいましょう。今は、簡便なソフトがあります。それを使って、実際に経費の管理をしてもらう。どのようにお金が動いているか理解することが大切です。製品の売上、コストの把握も欠かせません。資金繰りのための財務書評の見方も絶対にマスターしてもらいましょう。

  次期社長として、大きく視野を広めるためには外部の経営者セミナーへの参加が良いと思います。終業後や休日に開催されるセミナーもあります。自社に閉じこもらず、他社の経営幹部と話し合い、パイプを作ることも将来役に立ちます。時間的余裕があれば、中小企業大学校の経営後継者研修もあります。息子さんが外部のセミナー等に参加できるのは、社長さんが元気でサポートできる間です。早速始めてはいかがでしょうか。(2007.12.1中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
同族会社の社長が後継者の決定と育成に
あせらなくてもいい「3つの理由」!

 日本のみならず、世界の中小企業の中には同族会社が多い。同族会社は、複雑な家族間の人間関係があり、後継者についても適正な資質評価や能力育成プロセスを踏まず決定されることが多い。だが、次世代のために、よりよい会社をつくるという目標と情熱を持って、経営し、後継者を育成しようとしている同族会社もある。

 ジャック・ウルチも、適正な手続きを踏まず経営されるような同族会社は専門外だと思っていたが、同族会社にも「6シグマ経営」が役立っていることが多いことに気づいて、非常にうれしく思ったと語っている。
 ここでは、彼の「同族会社の社長が後継者の決定と育成にそうあせらなくてもいい」という「3つの理由」を紹介しておきたいと思う。
 第一は、成長の速度は人によって異なるということである。息子を後継者にすると腹を決めたが、時間がたっても期待ほど成長が見られない場合もある。やはり候補者としていろいろな仕事につかせ、観察し、その上で最終的に判断すればいい。
 第二は、息子といえども、早く後継者にすると発表してしまうと会社を混乱に陥れる可能性があるということである。あんな息子が社長ではとではやっていけないと有能な人が辞めていく。それは止むをえないとしても、その代りとなる人材を育てておかなければならないが、それには時間がかかる。
 最後に、社長長自身、すばらしい業績を上げ、仕事を楽しんでいるなら、早く引退してしまうつもりはないだろうということである。何十年と会社の第一線に立ち、会社を発展させてきた、社長としての先見性と能力からして、後継者問題についても秘めた考えを持っているはずだ。それは後継者にも社員にもいずれ理解し、納得してもらえるものであるに違いない。


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