日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

会社には経営理念が必要です! @

 「事業の成功は経営理念で決まる」とも言われます。現在立派に経営している企業には、必ず経営理念があります。しかし、中小企業の社長さんの中には、「会社が小さいから経営理念はいらない」、「経営理念などお恥ずかしい」という方もあります。
 経営理念は、会社の存在意義や使命、会社の経営目的などを表現したもので、企業によって、「経営理念」、「綱領」、「経営基本方針」、「社是」などと表現しています。社会の理法や自然の摂理にかなった正しい社会観、人間観に根差したもので、 基本的には、社会が大きく変動しない限り、長期間変らないもの、また、変えないものと理解されます。


経営理念は、
経営者と社員と社会の共通の土俵
 企業には存在する理由があるはずです。「何のために経営しているのか」、「どのような会社にしたいのか」を考えていない社長さんはいないはずです。
 社会からヒト、モノ、カネ、情報を預かり、仕事をする以上、社会に何らかの形で還元しなければなりません。事業税、従業員の支払う市民税、県民税など税金の形で還元することは当然ですが、企業は事業をすることによって社会に奉仕し、貢献する社会的使命を持っています。
 経営理念は、経営者および社員の行動の基本、基準であり、建前ではなく、「会社は、これに向かって進む」という本音であり、壁にぶち当たったとき、どうするか判断の基準となるものです。従って、企業活動の全てが経営理念と矛盾してはなりません。
 経営理念は、経営者と社員と社会の共通の土俵でもあります。もし、経営者が経営理念に反した言動をすれば、社員や社会から指摘を受けることになります。社員が会社の仕事で迷ったりしたときは、どのように行動すべきか、そのよりどころになるものです。経営幹部が経営理念にもとづいて指導できなければなりません。
 
 社長さんの会社には、まだ経営理念がありません。会社には、規模の大小にかかわらず経営理念は必要です。社長としての価値観や人生観に誇りをもって、顧客や社員、取引先や社会に対して、「私はこういう会社をめざしている」、「私は会社をこう経営していきたい」という経営理念を1日も早く制定し、自信をもって社内に大きく掲示したいものです。
2006.7.1 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
ジャック・ウエルチの
「6シグマ」を成功させた経営理念に学ぶ!

 「日本版6シグマ」は、GE社のトップ、ジャック・ウエルチの「6シグマ」が手本になっています。ジャック・ウエルチは、「6シグマ」に取り組むにあたり、トップの責任で「世界No.1、No.2」にできる事業を絞り、これを実現するためには「志気の高いチームづくりが不可欠である」としました。
 そして、従来のアメリカ企業に一般的であった「指令命令でしか動かないM0型組織」や日本企業の競争力を支えた「協調重視のM1型組織」を否定しました。
 その上で、「企業経営にとって、人材こそ最高の資産である」という、自らの「経営理念」を熱く語り、「多様な個性を認め、一人一人のやる気やナレジを重視し、それぞれが適材適所で知力を生み出すことができる、問題解決力のある『M5型組織』をめざす」という基本方針を打ち出しました。
 さらに、「課題の設定:Definition」をもっとも重視した「DMAIC」という「Critical Thinking Process」に沿った「6シグマウエイ」の訓練を徹底し、「GE版6シグマ」を成功させ、世界最高の経営者と評価されるに至りました。


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