日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

設備導入にあたって
リース契約には要注意です!

  訪問販売で「今の電話が使えなくなる」とか「電話代が安くなる」と言われて、電話機をリース契約してしまい後悔している社長さんが増えています。1回の支払いが少なくて済むし、不要に成ったら解約すればいいと勝手に解釈して安易に押印してまったようです。リース契約を必要な期間だけ使って、不要になったらいつでも自由に返却できるレンタカーのようなシステムと誤解した結果です。


リース契約は
途中契約が考えられる場合は要注意!

 リース契約は、リース会社が使用する人が選んだ物件を代わって購入し、使用者に貸し出す契約です。使用者はリース期間中、物件価格・金利・諸税・保険料等を含めた全ての代金をリース料として支払うことになります。契約期間は5年とか6年の長期間が普通です。
 レンタル契約は、レンタル会社が所有するリストの中なら、使用者が必要な物件を選び、借用する契約です。契約期間終了と同時に返却します。契約期間は通常短く、途中解約することもできます。

 リース契約とレンタル契約は一見似ていますが、内容は大分異なるのです。リース契約は、原則解約できないと思ってよいでしょう。途中解約すると「こんなに高額?」と思うほどの金額を請求されます。5年とか6年とか、長い契約期間の金利も含まれますから当然そうなります。

 リース契約の売込みは、訪問販売がほとんどです。訪問セールスは、お客に不利になることは、できるだけ説明を避けようとします。中には脅しをかけてリース契約させる悪質なセールスもいると聞きます。彼らは、販売(契約)してしまえば集金の心配もありません。集金は、リース会社がやってくれるからです。

 リース契約は、確かに1回の支払いは少なく、購入の事務的な手続きも省くことができます。機械設備が古くなり、契約期間が終了すれば、新しい機械を入れ替えて契約しなおせば良く、設備の老朽化、陳腐化の心配もないというメリットがあります。
 しかし、途中解約することが考えられる場合は、リース契約してはいけません。例えば、工事現場などで仕様する設備で、工事期間が2年とか3年にはっきりしている場合は、その期間でのリ−ス契約がお勧めです。少し条件が悪くなることもありますがやむを得ません。電話機やコピー機などの機器は、最近大変安く購入できるようになりました。通常、1年間の保証期間もありますし、工事も販売店がやってくれます。リース契約にするかどうかは、資金繰り免からも、契約期間の妥当性等を十分検討し上で決めたいものです。(2007.10.26 中小企業診断士加藤文男)
 


「日本版6シグマ」からの提案
キャッシュフローの改善を重視した
6シグマ課題の設定を!

 町工場の経営にあって、品質、コスト、納期面で競争力のある製品をつくる上で、最新の機械設備を容易に導入できるリース契約やレンタル契約は、特に資金繰りの面からも魅力的なシステムである。
 ジャック・ウエルチも「中小企業のオーナーにとって、一番の頭痛の種は何かを尋ねてみよう。それは資金繰りだと異口同音に返ってくるだろう。大中小を問わず、企業の経営にとって大切な測定指標には3つある。それは顧客の満足度、従業員の満足度、そしてキャッシュフローだ」と言っている。
 ジャック・ウエルチは「GE版6シグマ」で、製造業に従事する以上、在庫を見て恥ずかしく思うようでなければならないとして、製造工程の効率化にあたっても、製品の品質を上げ、納期を短縮し、在庫を減らし、その結果としてキャッシュフローを改善するという世界で先頭を走ろうとしているのである。
 企業は売上を現預金ではなく、売掛金や受取手形で受け取ることもある。帳簿では利益がでていても、支払いにあてることのできる現預金が足りずに、資金不足に陥り、倒産ということになることもある。そうならないためにも、製品の競争力を強化し、事業を拡大するための設備導入についても、経営はキャッシュフローをもとに、お金の出と入りに関心を集中させ、資金繰りの面から的確な手を打っていかなければならない。


back