日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

社員にも資金繰りの問題を
一緒に考えて貰ってはどうでしょうか!

 先日、社長さんに読んでいただきたくてある本をお持ちしました。中小企業にとってはよくあることですが、会社の資金繰りに関する本でした。
 その時社長さんは、「あ、その本は、もう読みました」との返事でした。それも十分理解したという感じで安心したものです。ところがその後の資金繰りの対応は、理解されていないどころか、その本に書かれていることとはまったく異なったものでした。

社長さん!
  本を読んでも、会社の経営に生かさないともったいないです。もちろん全てを実行することは大変ですが、少しでもこれはと思ったことは実行に移したいものです。そのためにはどうしたらよいでしょう。
 一つの方法として、この「資金繰り」の本も会社の社員にも一緒に読んでもらってはどうでしょうか。そして、資金繰りに関して、「会社として実行しなければならないこと」「実行した方が良いこと」等、率直に話し合ってみることです。
 どこの会社でも、資金繰りは社長の仕事ということで、社長さんもいつも苦労していると思います。できれば、社員にも資金繰りの問題を一緒に考えてもらってはどうでしょうか。


今話題の「資金繰り」の本
社員に一緒に読んでもらっては!
 この本についても、人によって読後感に違いがあると思います。社長として解ったつもりでいても、社員は違った視点から何か別の興味ある指摘をしてくれるかもしれません。社員にも読んでもらって、うちの会社の場合、一番先に解決しなければならないことは何かなど意見を聞いても良いのです。ご自分で感じたことを社員に話をしてみても良いでしょう。必ず、意見交換の場所となります。そこから、話が発展し、会社の「資金繰り」に関連する業務の改善課題が浮き彫りになって、社員全体で共有できるようになるかもしれません。
 どこの会社でも、「資金繰りは社長の仕事」ということで、社長さんもいつも苦労していると思います。しかし、思い切って、今話題のこの「資金繰り」の本を社員に一緒に読んでもらうことを提案してみて下さい。売上の拡大から回収の問題、さらには仕入れ、投資から日常の経費の使い方に至るまで、社員にも考えてもらいたい課題がはっきりしてくるとはずです。
 資金繰りは、中小企業の多くが抱えている問題です。しかし、社長が苦労するだけでなく、実は、社員にも考えてもらうべき問題です。ただ、社員は「俺たち社員には関係ない」と思っているだけです。資金繰りが自分たちの問題であることに気がつけば、会社に愛着がある限り、自分たちの業務の一環として、改善すべき課題を明確にしてくれるに違いありません。(2007.4.13
 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
先ずは現場の力で
営業活動によるキャッシュフローの健全化を!

 「GE版6シグマ」の中で、ジャック・ウエルチは街の小さな店だろうが、多様な製品を扱う多国籍企業であろうが、会社を経営している人が実際に使える指標として、@社員のやる気、A顧客満足度、Bキャッシュフローの3つを上げている。
 3番目の「キャッシュフロー」は、一定期間に入ってくるお金、出ていくお金の全体を「フリー・キャッシュ・フロー」というが、営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローの総和である。
 特に、営業活動によるキャッシュフローは、事業がどれ位資金を生み出しているかを示すものである。
 これがプラスなら事業が資金を生み出しており、新事業への投資や借入金の返済、株主への配当金、貯蓄など事業拡大や財務体質の改善に現金をあてることができ、余裕のある資金繰りが可能になる。
 マイナスなら事業によって資金を食いつぶしていることになり、資産売却や金融機関からの借入れも必要になる。しかし、先ずは、在庫圧縮や売掛金回収サイト短縮、買掛金支払延期などを検討しなくてはならない。これらはいずれも現場の社員の課題である。理想的な資金繰りのためには、こうした現場の力で獲得した資金を新たな事業に投資し、将来さらなる資金を生み出すというスパイラルを作る事がである。


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