日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

朝会を上手く運営しよう!

  社長さんの会社では、朝会を毎日行っていますか。朝会については色々なやり方があります。
 松下電器のように、「経営理念」や「遵奉すべき七精神」を全員で唱和して、担当者が所感を述べる朝会は、マスコミにも取り上げられ、良く知られています。
  「日本一のチームをつくって、東京に進出し、日本一になろう!」と夢と熱意を忘れないように、毎日朝会で唱和している会社もあります。
「いらっしゃいませ」「毎度ありがとうございます」と大声で唱和するのは、結構多くの営業部門で行っている朝会の風景です。
 危険作業を伴う会社では、朝会の終わりに「ゼロ災害で行こう!よし!」と大声で怪我のない様に安全への掛け声を掛けてから職場に移動し、作業を開始する例もあります。
 毎日、来客や個人の出張予定などの連絡中心のささやかな朝礼もあります。
  

 朝会はただやればいいというものでもありません。毎日行う朝会は、マンネリに陥りやすいものです。だからこそ朝会の運営には、特別な工夫が必要となります。


朝会は意志疎通の場
 社長や部門長が訓示をするなど、特定な人が朝会を担当することになるとネタが続きません。毎日変化のある話を準備するのは本当に大変です。社員全員で輪番制にするのもひとつの方法です。毎朝、担当を決めて必ず一言話をしてもらう。慣れない社員にとっては大変ですが、社員一人一人が自らの考え方ややる気を伝えることで、職場の活性化にもつながります。
  毎日、朝会がしっかり行われれば、意志疎通の問題も多くは解決するはずです。社員全員に対して諸連絡も一気にすませることができます。連絡事項の伝達の後で「じゃあ、今日も一日怪我のない様に作業よろしくお願いします!」と締めて仕事を始めるとけじめがついて気持ちが良いものです。
 朝会は社長と社員、社員と社員の間の意志疎通のための手段や場であって、形式にこだわる必要はありません。職場が分散していたり、人数が大多すぎたりする場合は、全員を集める朝会は、毎月一度にして、日常は部門ごとに朝会をする方法もあります。
  社長さん! 御社での朝会はどんなタイプがいいと思いますか、上の例を参考にして戴ければ幸いです。(2007.3.9 中小企業診断士 加藤文男)   


「日本版6シグマ」からの提案
朝会を「6シグマ課題」の進捗管理の場に!

 「日本版6シグマ」は、社長が経営方針のもと設定した目標、即ち「6シグマ目標」を実現するための、トップ主導の全社的な問題解決活動である。
 各職場単位で「6シグマ目標」を実現するための課題、即ち「6シグマ課題」を絞り込み、それぞれの課題について、いつまでに、どうアプローチするかを検討し、「実行計画」を作成する。その上で、具体的な実行策別に担当を決め、週単位あるいは月単位で進捗を管理していく。
 
 ここでは、第一に経営トップの「6シグマ目標」に対して、全社的にどれだけ意志疎通ができているかが問題である。各職場の「6シグマ目標」に対する意志疎通の度合いは、各職場が絞り込んだ「6シグマ課題」の妥当性で判断することができる。
 第二は、「6シグマ課題」に対して、その職場がどれだけ意志疎通ができているかが問題である。各職場の「6シグマ課題」に対する意志疎通の度合いは、各職場が作成した「実行計画」の妥当性で判断することができる。
 第三は、各職場の「実行計画」に対して、担当者がどれだけ意志疎通ができているかが問題である。担当者の「実行計画」に対する意志疎通の度合いは、「実行計画」の「進捗管理」で判断することができる。

 朝会は、「6シグマ」に対する意志疎通を深める上で格好の場である。第一に、社長の「経営方針」「6シグマ目標」を斉唱する。第二に、各職場単位での「6シグマ課題」を斉唱する。第三に、各「6シグマ課題」についての進捗状況を報告する。スクジュール通り上手く行っているか、遅れていれば、その理由は何か、今後どう挽回しようとしているかを報告する。
 「6シグマ課題」、「実行計画」を見直す必要がある場合もある。いずれにしても、社長、社員全員がそろう朝会の場を上手く活用すれば、「6シグマ目標」に対する全社的な一体感を醸成するとともに、「6シグマ課題」への取り組みを厳しく自己管理していく推進体制をつくることができるのではないだろうか。


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