日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

景気回復状況なのに
売上、利益が増えていません!

 社長さん、毎日忙しそうに動き回っていますが、お体の調子はいかがですか。会社経営に心配なことはありませんか。お聞きすると、夜は遅くまで業界団体や地域の皆さんとの会議や会食の連続とのこと。その上、趣味のゴルフで、土日もスケジュール表いっぱいだそうですね。でも、世の中の景気回復状況から見て、売上、利益が増えていないのは心配です。


売りに結びつく営業を!
  現在のところ会社の売り上げはそこそこ維持されていますが、問題が出始めています。御社の売り上げのほとんどは社長さんが3年前にとってきたもの。今は、営業担当者が引き継ぎ、フォローしていますが、新しい取引先からの継続注文は取れていないようです。
 まあまあ利益は出ていますが、景気回復の状況にあるのに大幅な伸びは見られません。営業マンも、お客様からの宿題への回答や処理で忙しくしていますが、受注増大には結びついてはいません。営業マンはただ忙しく、また、お客様が喜んでくれるのでそれだけで満足しているようです。営業マンには、社長さんから「売りに結びつく営業」を直接厳しく指導して下さい。

  ある取引先で、社長さんの話を聞く機会がありました。社長さんはよく顔を出してくれるが、趣味の話ばかりだそうですね。話が上手で面白く息抜きにはなっているが、忙しい時は迷惑がられているようです。これでは先が思いやられます。
  社長さん! ただ忙しそうに飛び回るだけで仕事をしているつもりにならないで下さい。社長さんは、忙しそうなので社員は誰も本当のことを言えないでいます。社長さん本来の仕事をして下さい。3年前の気持ちに戻って、売上と利益停滞の現状をどう打開するか、会社上げてじっくり時間をかけて取組むようにして下さい。今が最後のチャンスです。(2007.1.28 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
売上停滞の現状をどう打開するか?
社長主導の「6シグマプロジェクト」の展開を!

6シグンマプロジェクトの展開
問われる社長の本気度
 「日本版6シグマ」は、製品や商品の品質のみならずコストや納期、そん他付随するサービスに関する競争力を強化し、顧客満足「CS」に応え、確固とした事業基盤をつくるための全社的な問題解決活動である。
 
 この活動にあっては、経営主導で現場の問題解決力をどう発揮させるか一番の課題である。一般に中小企業の場合、それは、社長の「6シグマ」についての理解の確かさと導入・展開にあたっての本気度如何にかかっている。社長のリーダーシップと簡易な6シグマ手法「BSTプログラム」で、次のようなステップを踏むことで、大したお金をかけずに、現場のボトム力アップを引き出すことができるからである。

6シグマプロジェクト
展開フロー
 
 第一は、製品や商品についての「No.1、2戦略」である。我社の事業は、これからも世界で通用する、業界トップレベルでやっていける技術、技能に裏付けされた事業であるという確信と自信を社員に示すことである。
 第二は、顧客の声「VOC」の重視である。製品や商品の提供にあたり、あらためて「何が問題となっているか」を大胆に絞り込むことである。
 第三は売上、利益計画である。顧客の声に応え、短期、中長期的に、それぞれの顧客に何をどれ位、どう販売していくか、その見通しを具体的に数字化することである。
 第四は、社員に対する動機付けである。計画の実現を現場のやる気と仕事ぶりにかけるという、社長の社員一人一人に対する信頼と期待と業績に対する公正な評価の実施を表明することである。
 第五は、各業務分野での「6シグマ課題」の設定である。計画実現に向けて、各業務分野別に、具体的にどのような取り組みをするか、現場からの主体的で自由で多面的な具体策をもとに、重点的に取り組むべき「6シグマ課題」を大胆に絞り込むことである。
 第六は、「6シグマ課題」への取組みである。第五に戻って、「6シグマ課題」を設定した際の具体策を吟味し、「実行手順書」をつくる。後は、現場の手順書に沿った実行あるのみである。


back