日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

顧客重視の視点から、お客様との打ち合わせに
準備し過ぎて困るということはない!

 会社にお客様を迎えるとき、お客様の所へ打合せに行くとき、会議の前など準備不足のままにそのときを迎えると決して良い結果は得られません。

「そんなことを言われなくともわかっている」このような返事が帰ってきそうです。
 しかし、先日の来客時における対応は、何とか取り繕っておられましたが結果がたいへん惨めなものでしたのであえて申し上げます。
 まず、お客様がこられる目的、打合せの目的、会議での議題など事前にその流れを考えた準備が必要です。準備をせずに打合せや交渉の時間を迎えると相手のペースになりがちで良い結果が得られません。お客さんの場合には、満足して返ってもらえない結果になります。 


お客に何を伝え、
お客から何を引き出すか?
 お客が「どのような目的で来社されるのか」「お客様が期待されるのは何か」など明確に把握する必要があります。そして、必要なサンプルや資料を準備します。時には、自社にとって歓迎できない顧客の場合もあります。このような時も相手に失礼にならないように配慮し、渡してはいけない資料、見せてはいけない現場などをハッキリさせておきます。
 工場の現場での打合せなどの場合には、周辺を整理すると共に、見せてはいけないものは移動するとか、覆いをすることも必要になります。
 更に、社内の従業員に顧客の目的など自社の対応方法を十分に伝えておくことです。この徹底を欠くと見せてはいけないものが放置したままになっていたりして、思わぬ失敗をすることにもなりかねません。担当者には、自分の判断で勝手に話をしないような教育をしておくことも大切です。

 お客様との交渉では、その流れを予測し、資料を準備し、当方の考え方をきっちりまとめておくことです。当方の得たい結論も明確にしておくことです。そうでなければ、相手の思うままに進行し、当社にとって不利な結果になってしまうこともあります。

 また、歓迎しない顧客の場合には、話題に困ることもあります。このようなときには、何も話さないことです。相手に良く思われようと思って言うべきことではないことやできないことを言ってはなりません。余計なことを話してしまい、後悔することになります。気を使い過ぎてリップサ−ビスをしないことです。
 突然の来客もないとは限りません。そのようなとき内部で意見の相違が起きないように、日常から社長自身の方針や考え方を内部に徹底させておくことです。何事にも準備をしすぎて困ることはありません。(2006.5.15 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
経営方針や目標と顧客の声をすりあわせ、
お客を確実にリードできるよう準備を

 お客様とのミーティングや交渉は、顧客重視の視点からで、「VOC:顧客の声」を確認し、自らの「6シグマ課題」を明確にし、顧客と共有した上で、その解決に向け、相互の信頼関係を早急につくり上げていく絶好の場です。
 
 そのためには、お客とのミーティングや交渉で、単なる駆け引きに終始するのではなく、お客の思いや二−ズを引出し、あるいは確認し、相互の課題を正々堂々と主張し、確かな連帯関係をつくっていく力と準備が必要です。
 
 さらに、関係づくりが上手く進んでいないお客の場合、これまでのやりとりをご破算にするか、修復するかも含めて、特に「COPQ」の機会損失を極小にすることを目的として、個々のお客別に、社長自身の方針や目標と顧客の声をすりあわせ、お客を確実にリードできるよう準備することに、準備し過ぎて困るということはないと思います。


back