日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

政府の最低賃金増額の方針は
親会社に受注金額の増額の交渉するチャンス!

 先日政府から最低賃金の増額が発表されました。その際、社長さんは最低賃金が増額されたけれども、都内の企業で働く従業員と神奈川県西部の企業で働く従業員の最低賃金の差が小さく、中小企業経営者にとって厳しすぎるという苦情を聞かされ、大変残念に思いました。
 社長さんの会社には、従業員に少しでも良い生活をしてもらいたいという考えがあったはずです。しかし、このような話が出るということは、従業員をその地域の最低賃金でしか働かせることしかできない諦めが見えています。
 

 社長さんの会社は、大手企業からの下請け部品製造業です。確かに、親企業からの下請け受注で十分な利益を確保することは厳しいと思います。しかし、最低賃金が増額になったということは、親企業に対して受注金額を増額してもらう交渉の理由になるはずです。

親会社の期待に応える上でも、
無駄をなくし、コストダウンを図る取組みを!

 従業員も、新聞などで最低賃金の増額のニュースは知っているはずです。そして社長さんの対応を期待しているはずです。このような機会はめったにありません。少しでも高い給与を支払い、少しでも良い生活をしてほしいという日ごろの社長さんの考え方を、親企業や従業員にもう一度説明する機会でもあります。

 社長さんの業界も大変競争が厳しくなっている実態があります。従業員の皆さんに、会社の経営状況と共に業界の競争の厳しさを説明し、製造工程の無駄を省き、生産効率を上げる必要のあることを丁寧に説明します。
 製造工程のことを最もよく知っているのは、実際に作業をしている従業員です。従業員にも、日頃から無駄と思っていることや改善が必要だと思っていることがあるはずです。
 社長さん、政府の最低賃金増額の方針は、一つのチャンスです。親会社に対して受注金額の増額の交渉するとともに、親会社の期待に応える上でも、従業員に対して、知恵を出し合い、無駄をなくし、コストダウンを図る取組みを宣言しては如何でしょうか。


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