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 BMM【Belhyud Mail Media】NV No.106

  2010.5.21発行
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中国ビジネスにおける
日本版6シグマ

7 棚卸集計表による
   棚卸データの可視化


既に見た「4つの経営利益」の推移を中国人社員の責任で管理させていくためには、経営利益を構成する「管理データ」が可視化できていなくてはならない。この管理データの可視化の中で、もっとも面倒な業務は、毎月の内製部品の材料コスト、組立製品の部品コストの可視化である。これらコストの可視化のためには、正確な棚卸データが不可欠である。
これまでも、それなりの方法と精度で毎月月末に棚卸は行われ、棚卸の結果は決算のためのデータとして財務部門に提出されてきた。しかし、棚卸データは財務部門に報告されるや現場から離れ、現場として中国人社員が自らの管理業務に直接的に活用するということはほぼ皆無であった。
棚卸業務は、月末定例の決まり事としてマンネリ化し、その結果、「在庫の理論値と棚卸高の乖離」、「材料、部品、製品の在庫高の増大」という由々しき事態が発生していた。

こうした事態の中で、先ず中国人社員に強調したことは、「過剰在庫は諸悪の根源である。在庫データを中心とした棚卸データは決算のためのみならず、中国人社員が自らの責任で収益を改善していくために欠かせないものである」ということであった。

そこで、棚卸データを精度アップし、収益改善に容易に活用できるようにするために、この棚卸データを可視化する必要があるとして、「棚卸集計表」の導入を中心とした棚卸業務の「3つの改善」に取り組むことから始めた。

第一の改善ポイントは、倉庫の整理整頓と先入れ先だしの原則の順守によって、棚卸業務を簡便化し、精度アップを図る。

第二の改善ポイントは、日々の入出庫の正確なカウントと入出庫記録カードへの正確な入力によって、月末の棚卸業務を簡便化する。

第三の改善ポイントは、月末の棚卸アイテムを明確にした「棚卸集計表」を作成し、棚卸データ を正確に入力することによって、材料、仕掛品、部品、製品の入出庫、在庫の細部と全体を可視化する。

「棚卸集計表」で集計し、可視化する「棚卸アイテム」は、次の通りである。
@部品製造用基本材料、外注部品のすべての入出庫残高
A仕掛部品・製品のすべての在庫高
B完成部品、製品のすべての入出庫残高
C不良、不動品のすべての入出庫残高

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           BMM【Belhyud Mail Media】 NV No.105
                  2010.5.21発行
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                【発 行】 ベルヒュ−ド研究会
                 【編 集】 井 上  仁


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