Beautiful Human Dynamism in Business
先日は、ご本を購入させていただき、早速読みました。こちらの『ごせやける許さんにぇ』(言叢社)は、僕なりにフェイスブックなどで宣伝させていただきます。「ふる雪は 積もり やがて消える ふる核は ただ 積もるだけ けっして 消えることはない」泣けてきます |
福島第1原発事故によって、福島県浜通り地方の多くの住民は、古里や生活基盤を奪われ、長期にわたる避難生活を強いられている。副題は「フクシマ原発被災者の歩み・双葉町から」。同町出身の著者は、「7000人の復興会議」にオブザーバーとして参加する等して、事故発生後3年間にわたって住民の苦しみを追った。そして、今後の3年が生活再建への正念場だと説く。 |
今後3年 支援者正念場 「海や祭り、民謡、地域の付き合い・・・。すべてが忘れがたい故郷。そう簡単に捨てられない」。高校卒業まで双葉町で育った井上さん。原発事故が起きるまで年1、2回の帰省で墓参りをしたり、盆踊りに顔を出したりするのは、心安らぐひとときだった。「私も故郷を奪われた準犠牲者だと思っています」 「被災者にもう一度前を向いてもらえるよう今こそわれわれのような応援部隊が道筋を付けなくては」。その決意で、本の後半では今後3年で取り組む課題を整理した。これ以上関連死の犠牲者を出さないことや、損害賠償問題の決着は「すべての被災者に必要な最優先課題」だ。 双葉町は96%が「帰宅困難区域」。町の調査では町を離れてもいい、離れたいという町民が九割に上る。「長期的にどうなるかは分らない。だがこの3年、手をこまぬいているわけにはいかない。町のDNAをどう守っていくか」。 魅力ある「仮の町づくり」や、移住者への住まいの保証なども今後3年でめどをつけるべきだと考える。「国や東電、被災自治体を動かす計画で実行を迫るため、専門的な知識や技術を結集したい」。本を手渡しながら同じ思いを持つ人とつながり、「フクシマ復興支援ネットワーク」として活動していく予定だ。ネットワークのメールアドレスは、fukushima-n.w@belhyud.com 【取材記者後記】 |
双葉町の歩み 一冊に |
3年目の3.11、いまだに15万人の難民がいると言う。 福島出身の筆者は避難所の子供たちの勉強支援、仮の町づくり、賠償請求支援などの活動に取り組んできた。その間の被災者の苦難、苦悶の歩み、国の対応、世間の温かさ、また反対に無関心の一面をドキュメント風に克明に伝えている。 |
書店には様々な原発関連本が並び、被災者に寄り添った報道やルポも出ている。では今、この本を出版する意味は何か。 |
著者が自らの足と目と耳で捉えた故郷の被災地の実態や復興、再生活動を記録した書籍を出版されることになった。その膨大な資料が生々しく訴える被害の大きさや遅々として進まない事態の深刻さにあらためて驚いている。原発事故は、何の咎もない方々の幸せな日常生活を奪い、支援策も被災者の立場に立って適切に進められているとは思えない。 |
3.11以来、残されている課題はあまりにも多い。それを落ち穂拾いのように丹念に集めたのが本書だ。何をやり、何を解決しなければいけないかが克明に記されている。フクシマ以来、大災害は放射能汚染とセットになってしまった。もはやこの新災害から逃れられる地域は何処にもない。 |
故郷双葉町への強い思い入れを持つ筆者が直に収集した事故被害の実情と被災者の日常生活、揺れ動く心情などの事実の重みは、単なる想像の世界などとは桁違いである。 |