戦略的な
「6シグマ課題:SSP」の設定

「6シグマ」は
「SSP」の設定が一番!

 「6シグマ」は、経営の「No.1,2戦略」のもと、経営方針、目標を実現するために、各部門が「顧客の声:VOC」、内部の業務不良要因:CTQ」に関する情報をもとに、「戦略的6シグマ課題:SSP」を設定し、その解決に取組み、顧客満足「CS」を実現し、「COPQ」の6σ化をめざす、全社的な問題解決活動です。
 今日のIT革命、AI時代に合って、情報のデジタル化、情報のデジタル処理、利用技術がどんどん進んでいます。「日本版6シグマ」は、こうした情報技術を含めて、「BSTプログラム」による一連の情報収集、処理技術によって、「Critical Thinking Approach」を行い、「顧客満足:CS」を実現し、「COPQ」の6σ化をめざす、問題解決活動です。

6σ  Six Sigma
統計学上の概念である「標準偏差:σ」の6倍の範囲内に品質のバラツキを押さえようとする考え方 
「ものづくり」で言えば、品質管理の目標レベルを「6σ:100万個中、不良品を3.4個以下、99.99966%の歩留まり」とするというもの
GQ Good Qiality
顧客の満足と無駄な損失、機会損失の極小化につながるレベルの製品や業務の品質
 VOC Voice Of Custmors
製品、商品、サービス品質および関連業務に対する顧客の不満、要望、意見
 CTQ Critical To Quality
製品、商品、サービスの品質問題に重大なマイナス影響を与えている内部の業務不良要因
 COPQ Cost Of Poor Quality
製品や業務の品質不良、バラツキによって生じる無駄なコスト、機会損失の総和
 SSP Six Sigma Project
経営方針や目標の実現に向け、各部門が「VOC」と「CTQ」の現状把握をもとに、「何が問題か、何を解決すべきか」について、「COPQの6σ化」に向けて取組む戦略的な「6シグマ課題」

日本版6シグマ
基本フロー



「SSP」の設定を最重視
 「日本版6シグマ」は、「BSTプログラム」の中でも、「KJ法」を使って、基本的課題をコンセプト化し、「戦略的6シグマ課題:SSP 」を設定するラウンドを最重視している。

課題設定手法として
「KJ法」のリバイバルを!
(加藤文男会員

 企業の問題解決には、「アナログな情報処理による問題解決技法:KJ法」が欠かせないことを実感しています。

 「KJ法」は、特に「課題」をコンセプト化し、インデックス図解で「見える化」することにより、大きな効果に結びつくと改めて思いました。

 しかし、「KJ法」という名前はあまり全面に出さないで、ブレーンストーミングでアイディア(具体策)を出し合い、これをデータ化してラベルに記載し、課題を設定する手法として紹介するのも一つの方法と思います。「KJ法」を「基本的課題設定ラウンド」に絞って、活用方法をPRするという作戦です。「KJ法」のリバイバルです。

 「KJ法」は、名前は知られているが、使用するには訓練が必要で、センスも必要です。使い慣れている人が少ないため、今は忘れられてしまった手法になっています。そこで、ベルヒュード研究会として、「KJ法」を丁寧に説明し、理解を広めることが必要と思います。
 課題設定法として「KJ法」を理解し、使い慣れてもらうために、大事なコツの部分を簡潔に説明することです。私も、「KJ法」に求められるコツとセンスについて、勉強しなおしてみたいと思います。


累積KJ法
W型問題解決フロー

①問題提起ラウンド
  
経営が方針、目標を明確にし、各部門と問題意
 識を共有化する。
 註
 各部門は、経営の方針、目標を受けて、次の現
 状把握以下5つのラウンドから累積型問題解決
 に取組む。

②現状把握ラウンド
 経営方針や目標に関連して、各部門の内外から
 みた具体的な「問題点(事実)」を列挙し、整
 理する。


③具体策ラウンド
 「問題点(事実)」をもとに、部門として実行
 すべき「具体策
を360度の視野から広く列挙
 し、ラベル化する。
 註
 今日的なデジタル情報処理技術も、一つの「具
 体策」である。どんな技術をどう活用すべきか
 を一つの「具体策」としてデータ化し、ラベル
 化することから始まる。

④基本的課題設定ラウンド

  
「具体策」をもとに、「KJ法」を使って、部
 門として取組む「基本的課題」をコンセプト化
 し、「インデックス図解」を作成し、全体の実
 行戦略を明確にする。

⑤実行計画作成ラウンド
 「基本的課題」別に、「専門的な知識や技術を
 持ったチーム」を編成し、個々の「具体策」の
 見直し、追加を行い、「実行計画書(責任者、
 具体策別担当者、実施・終了時期、リスク対策
 等の設定)」を作成する。

⑥進捗管理ラウンド
 「基本的課題」別に進捗状況を踏まえ、「実行
 計画書」の見直しを行う。



W型問題解決フローの原典
(川喜多二郎)
 


ベルヒュード
問題解決基本フロー

 W型問題解決フローでは、問題提起」を受けて、「現状把握」を踏まえ、「基本的課題、構想」をシャープに発想するということになっています。
 課題設定のシャープさは、①」問題意識(関心事)の強さ、②現実の本質を見抜く力、③将来を展望する力にかかっています。本来、思考の広さ、深みと飛躍力が要求される、難しいプロセスです。

簡便なフローを提案 
 ベルヒュード研究会は、このプロセスをブレークダウンし、実際的な発想訓練を試みましたが、「難しい」ともう一つ評判がよくありませんでした。
 そこで、便法として、次のような「3つのフロー」で攻めてみることにしました。
 
①経営の方針や目標に関して、各部門別に経営 、部門内外の問題点の現状を整理し、360 度の視野から行動上の「具体策」を思いつく まま広くデータ化し、ラベル化する。

②「KJ法」を使って、「グルーピング→表札
 づくり」を繰返し、 個々の「具体策」は「

 のために、何をどうする
」事なのかを明確に
 し、最終的に4~5枚程度の「表札:基本的
 課題」にまとめる。

③経営の方針や目標を実現する上で、各部門別
 に「基本的課題」の全体を「A型図解」さら
 に「インデックス図解」にし、組織としての
 戦略的な取り組み方を明確にする。





①問題提起ラウンドの経営方針や目標を踏まえ、「V
 OC」と「CTQ」の現状把握(M)をもとに、3
 60度の視野から、ブレーンストーミングで「具体
 策」(I)をデータ化し、ラベル化する。
②「具体策」のラベルの全体をバラバラにならべ、ざ
 っと目を通し、似たようなラベルをグルーピングす
 る。
③グルーピングが一通り終わったら、それぞれのグル
 ープの「具体策」は、結局「何のために、なにを、
 どうする」ことなのか、共通した本質を明確にし、
 一枚の「表札」をつくる。
④一通り、表札づくりが終わったら、次のグルーピン
 グ、表札作りに進む。これを繰り返し、最終的に全
 体を5~6枚の「表札:SSP」にする。
⑤最終的な5~6枚の「表札」をバラバラに並べ、各
 ラベル間の関係(下記の記号参照)を明らかにし、
 全体で左右対象になるよう配置し、「A型図解(イ
 ンデックス図解)」に仕上げる。
⑥「インデックス図解」は、「SSP:6シグマ課題」
 全体へ」の戦略的な取組み手順を図解化したもので
 ある。

 
 いずれの作業も、簡潔な日本語での「話して考える、聞いて考える、書いて考える」という「コミュニケーション」がベースになっています。
 
 この力は、
大江健三郎著「話して考えると書いて考える(集英社)」の中にある「考えを明瞭に表現する、句読点をつけて話す、書く」という
Articuracyという英語に通じるものであると考えます。

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