本邦研修
2年度


2006年
11月23日 ~ 12月12日

対象者
 アルメニア国において中小企業振興活動の支援を担う中小企業開発局の幹部職員及び中小企業に対する研修やコンサルティングの実践指導を行うビジネスサービスプロバイダーの幹部5名。

講義概要

①経営理念
 
経営理念についての講義からスタートした。経営理念は会社の存在意義や使命、会社の経営目的などを表現したものである。経営理念は、社会の理法や自然の摂理にかなった正しい社会観、人間観感に根差したもので、 社会が大きく変動しない限り、長期間変らないもの、変えないものである。

 企業にとって経営理念は、経営者及び社員の行動の基準であり、建前ではなく、これに向かって進む本音であり、壁にぶち当たったときに判断の基準となるものである。企業活動の全てが経営理念と矛盾してはならない。
 
②中小企業支援機関訪問
  研修生がビジネスサービスプロバイダーの経営者、トレーナー、コンサルタントが主であることに配慮し、神奈川中小企業支援センター、神奈川県産業技術センター、中小企業団体中央会、中小企業の後継者育成のための中小企業大学校東京校を訪問した。 
 神奈川中小企業産業支援センターの経営総合相談室では、当センターが毎日実施している経営相談の実態を紹介し、弁護士による法律無料相談の実態も紹介した。

③日本企業の労務管理、社員教育
  日本の代表的な大企業の人事制度、人材評価方法、研修制度を紹介した。

④ビジネスキャリア資格制度
  ビジネスキャリアは、厚生労働省が1994年に始めた事務系従業員を対象とする人材能力に関する資格認定制度。厚生労働大臣が認定した民間教育機関の行う講座を受け、中央職業能力開発協会の試験に合格して得る資格であり、人事・人材開発・労務管理、経理・財務管理、営業・マーケティング、生産管理などの分野があることを紹介した。

異業種交流活動の案内
 異業種交流は、わが国の社会的課題や経営課題の解決に挑戦する中小企業者の多種・多様な交流や連携づくりを応援し、国内外の広域ネットワークと豊富な人脈を活用して新しい時代づくりに貢献する活動である。
 横須賀市を拠点とする「横須賀異業種交流サロン」活動を訪問し、実際の交流の様子を視察した。

⑥中小企業視察訪問
  日本の中小企業の実態を見るために、代表的な中小企業を訪問視察し、経営者から事業概要の説明を受け、経営診断を兼ねて質疑応答の時間を設けた。工場内に大きく掲示された5Sに関する標語や改善活動の具体的活動報告に興味を示していた。

精密機械加工業
株式会社開明製作所          

機械加工業
高井精機株式会社              

金属製品加工業
株式会社セプトワン


⑦企業診断ケーススタディ
製造業三社
 企業の業種、企業規模、企業の専門性や特徴を解説した。現場での診断では、担当講師より、実践的な診断で観察すべ きポイントを補足説明した。

商店街

  横浜元町商店街を視察訪問し、商店街にある店のアドバイザーから、店の歴史や特徴、商店街における存在価値など診断のポイントについて説明を受けた。

⑧日本の観光事業の案内
 アルメニアは、旧ソ連邦の時代から観光地として機能してきた。神奈川県観光振興課古谷課長から神奈川県の観光事業の概要について解説してもらった。箱根観光センターの訪問視察を行った。

 神奈川県の代表的な観光地である箱根芦ノ湖の主な観光施設を案内した。


・道の駅「やまきた」及び「箱根峠」
・観光施設小田原城跡
・小涌谷土産店
・箱根寄木会館
・宿泊施設 万葉荘

 当日は奈川産業振興センターの研修施設を兼ねる「万葉壮」に宿泊し、観光関係訪問先について補足説明を行った。

補足
 初年度受講生に実施した戦後の日本の産業の復興と発展に寄与した中小企業に関する「日本産業の盛衰」については、英訳した資料を提供し、復習してもらった。


神奈川の観光についての講義
古谷神奈川県観光振興課長





神奈川中小企業支援センター
工場診断・商店街診断を終了した後
JICA研修室にて研修生からの質疑応答を実施した。



フエアウエルパーティ