緊張状態に見える
アルメニア

アルメニアは、日本人にとって余り知られていない国である。とにかく情報が少ない。今回の調査に当たっても出発前には、安全については十分注意するように言い含められた。情報がないためにリスクについては安全サイドに考えて判断し行動することが求められた。
 わからないから不安で危険だという論法だ。この論法を持って注意をしておけば、誰も責任をとらなくて良い。もし、誰かがトラブルに遭遇したとしても「だから注意したじゃないか」と言い訳に使うことができる。問題が起きなければ、言い過ぎも問題にされない。
 2005年6月と2008年3月の2回、いずれも10日間あまり事前調査及び報告会の目的でアルメニア共和国を視察訪問する機会を得た。訪問したのは、首都及び北部の比較的大きな都市のイリジャン市とデリジャン市の2都市であるが、市内を歩いての危険を感ずるような状況は全くなかった。
 もちろん国境付近は、それぞれの国とトラブルが存在するので避けている。また、昼間の時間帯が長い時期であったが、日没が夜10時近くで暗くなってからの夜間の出歩きはしていない。情報が入らないだけで何が起こっているかを知ることは難しい。日本政府は情報収集に努力をしているに違いないが、実態は新聞報道レベルから大きく変化がないと思われる。

首都エレバン市内の公園では
バザールが開催されていた
 街には、軍用車と軍人の姿があった。長時間観察したわけではないが、軍人にはそれほど緊張感は見られない。我々外国人に対してはにこやかな表情である
 日本のように隣国と海で隔てられているわけではない。アルメニアは、九州よりも小さい面積であり、トラブルがあればすぐに出動する必要があり、緊急度に大きな違いがあるのであろう。ウクライナ侵攻により、最近のアルメニアは、緊張度が高まっているにちがいない。











back