エネルギー、物流の回廊として
戦略的重要性を増す
アルメニア共和国

ロシアが影響力を持つCISの一つ
 アルメニア共和国は、1991年のソ連邦の崩壊で独立した共和国である。1918年にはアルメニア共和国として独立したが、1920年に旧ソ連邦下に入り、1991年旧ソ連邦の崩壊とともに独立して現在に至っている。

アルメニア語を公用語としているが、日常はロシア語が使われている。アルメニア人のほとんどがロシア語に不自由しない。国の宗教をキリスト教と定めているが、ロシア国内に住む「ディアスポラ」が最も多く、政治的にも経済的にもロシアの強い影響がある。

参考
 独立国家共同体(CIS)に加盟しているのは、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、ベラルーシ、アルメニア、アゼルバイジャン、モルドバの9か国である。


本国人より出稼ぎ人口が多い不思議な国
 人口は、300万人程であるが、ここ10年間あまり変化はない。アルメニアには「ディアスポラ(ダヤスポラ)」といわれるアルメニアに住んでいないアルメニア人が多数いる。この「ディアスポラ」が500万人程おり、アルメニア本国にいるアルメニア人よりも多い。全世界では、アルメニア人は800万人といわれており、出稼ぎ人口の方が多い不思議な国である。

海外へ出稼ぎに出ている「ディアスポラ」には、高等教育を受けた知識人が多い。ロシアやアメリカ、ヨーロッパに多く住んでおり、大企業の経営者もおり、市場経済に向かうアルメニアへの投資を始めつつある。現在のアルメニアの月収は、US$100以下と言われるが、生活レベルは低いようには見えない。「ディアスポラ」からの仕送りがアルメニア人の生活を支えているとも言われている。

アルメニアは、この出稼ぎ人口の存在が大きく、国際的にも一定の発言力を有しており、コーカサス地域として、中央アジア諸国、カスピ海地域と欧州を繋ぐエネルギー、物流の回廊として戦略的重要性を増している。教育にも熱心で、義務教育は10年又は11年である。識字率は、99%と高い。



首都エレバン市内の風景

 


back