アラブの習慣と文化

外国人もアルコールは厳禁
空き瓶の始末に困っているようだ

   中近東のある国では、一時期、自分で飲むためのアルコール類は持ち込みが許されておりました。出張することが決まると手土産のためにウイスキーかブランデーなどのブランドのリクエストの連絡があったものです。アルコール類は、お土産品として大変な貴重品扱いで歓迎されたものです。
 現在は、中近東の国々でもその規制は少しずつ厳しくなっているようです。厳しい国と比較的緩やかな国があるので、事前に十分確認する必要があります。中近東の国を複数訪問する際には、持ち込み可能な国を先に訪問してお土産として持参し、渡して、禁止の国には後にするなど訪問する順番に配慮し、トラブルの発生をなくしたものです。

政府関係以外の仕事で駐在する日本人は、その多くが商業都市ジェッダに住んでいました。スエズ運河につながる紅海の沿岸の都市です。休日になれば、ストレス解消によく海水浴に出かけたものです。
 海岸で砂遊びをしているとウイスキーの空き瓶が数本出てきました。どこかで手に入れたウイスキーを飲んだ後、空き瓶の処分に困って紅海沿岸にきて、砂を掘って埋めたのに違いありません。
 どのようにしてこれだけのウイスキーを入手できたのか。ドライブに出かける砂漠でも捨てられたウイスキーやブランデーの空き瓶が見つかります。相当高い値段だったに違いありません。その上、空き瓶の処分にも困るサウジアラビアです。サウジアラビアは、酒好きには、大変な国です。

 アラビア人はすべてアルコール厳禁かと言うと、そうではありません。海外へ出るとアルコールを楽しみにするアラビア人は結構います。アラビア人を食事に招待する際、一人の場合は問題ありませんが、複数のアラブ系の客人となると、お互いに牽制し合って飲むことを躊躇します。アルコールについては、個々にそっと確認したほうがよさそうです。


イスラム国のお客様には、
ハラル料理の店を選ぶ配慮を

 一方、アルコールは飲むアラブ人でも、豚肉だけは特別嫌う人が多いようです。豚肉以外の肉類は、すべてイスラム教のしきたりに従って特別の祈りをしながら加工されています。これらの肉を使用した料理がハラル料理です。
 日本でも、最近ハラル料理を提供する店が多くなりました。酒類のお奨めは、その都度確認して決めればよいのですが、肉料理の場合は、途中で店を変えることはできません。イスラム国からのお客様を食事に招待する場合は、ハラル料理の店を選ぶ配慮が必要です。

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