アラブの習慣と文化

公共の場
男女の同席は禁止

 サウジアラビアでは、公共の場所では、親や兄弟、親戚以外、不特定の男女の同席は禁じられています。そのため、プール、テニスコート等でも男女が一緒にプレイする姿は見られません。
 結婚披露パーティは、花婿と花嫁別々におこなわれます。花嫁の披露宴には、女性しか出席できず、花嫁の父親さえも出席は許されません。花婿の披露宴には、同じように女性は出席しません。男性だけでお祝いするそうです。
 もちろん、お祝いの席でもアルコールはなく、飲み物は甘い紅茶やソフトドリンクのみです。家族でのレストランの食事も女性が同席する場合には、一般のお客席から見えない家族専用席(個室)に案内されることになります。

  公園や遊園地で遊ぶ子供も、男性と女性は別々です。遊園地は、男性と女性では入場できる曜日や時間で区別されていました。 サウジアラビア人女性は、海水浴では多くが黒い水着を着用して海に入ります。派手な水着は着ませんし、ビキニなどはとんでもないことです。
 砂漠に囲まれた生活の中で、休日に、我々日本人はストレス解消によく海水浴に出かけました。我々の車が海辺に近づくと、先にきていたサウジアラビア人の女性や子供家族は、入っていた海から急いで上がって、乗用車の近くにはってあるテントシートのかげに身を隠してしまいます。
 だから遠くからでも、サウジアラビア人であるか、日本人や殴米人かすぐにわかります。欧米人の場合は気を使わなくてすみますが、アラビア人の場合にはあまり近づいて、彼女たちを困らせないように配慮しなければなりません。


御客への給仕もみな男

アラブ人の家を訪問しても、女性は客の前には出てきません。すべて男性が応対します。滞在中、何度も社長さんのご自宅で食事に招待されることがありましたが、奥さんは顔を見せることはありませんでした。
 招待客への食事の給仕などは、本人か、使用人、又は、雇われた料理人がしてくれます。全員が男性です。最初の給仕は、社長さんの信頼の厚い使用人が子羊の丸焼きに最初に手際よく切り分け、客人の取り皿に渡してくれます。
 渡してくれると言っても丁寧なものではなく、放り投げてくれるといった方がいいでしよう。それが実に慣れたもので、各客人の皿に料理が的確に届くのに驚かされました。下の写真をもう一度ご覧下さい。



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