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我々の住んでいたフラットのエアコンは、出勤中でも常に電源を入れておいた。帰宅してからエアコンの電源を入れたのでは冷えるまで時間がかかり、くつろげたものではない。電源を入れておかないと、帰宅した時、蒸し風呂に入ったようになるからである。 アパートの構造にも問題がある。窓は一応アルミサッシでできていたが、アルミサッシを取り付ける建物の枠の構造が悪いため窓枠とアルミサッシの間に数ミリメートル、大きい部分は1センチメートルほどの隙間がある。家のすべての窓が同じようなものだから、ここからも熱い外の空気が入り込んでくる。エアコンの電源を入れておかないと、すぐに部屋の気温は外気と同じになってしまう。
日本でも炎天下に駐車をしておくと、ハンドルが触れないくらい熱くなる。摂氏42度を超える暑さではやけどをしかねない。「車のボンネットで卵焼きができる」などと言われる。本当かどうか、半分いたずらのつもりで、試してみた。 |
こんな暑さだから、食べ物が腐るのも実に早い。レストランもない離れたところにある取り付け工事現場などへ出掛ける場合は、日本でやるようにおにぎり持参で出かける。朝早く握ったおにぎりも、昼に食べようとして開けてみたところ、もう腐りかけて食べることが出来なかった。炎天下の車に置いていたためである。この間、わずか3時間くらいである。だから、車には冷蔵用の保温ケースと保冷材を常備しておかなければならない。これらは必需品でした。 理由はさだかでないが、停電もよくあった。当時大都市ジェッダでも電力も十分とは言えなかったようだ。住んでいるアパートで、停電になると冷蔵庫に入れておいても傷んでしまう。短時間の停電であれば、暖かくならないうちに再度冷やすので腐らせずにすむが、長時間になるともうダメである。
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