サウジアラビア以外に住むイスラム教徒にとって、聖地であるメッカやメジナは一生の間に一度は訪問をしたいところである。お金があれば、毎年でも訪問することができる。インドやパキスタン、ヨルダン、シリアさらに北アフリカのスーダンなどから、毎年、数十万人のハジ巡礼者が聖地メッカやメジナへ訪れる。巡礼目的で来た際に、滞在許可、労働許可をとって住み込んでしまう出稼ぎ人も多い。これらの出稼ぎできているイスラム教徒の友人にも、二人以上の奥さんのある人はいなかった。
例外は、商売に成功した一部のサウジアラビア人である。アラビア商人には、商売が上手な人が多い。原油以外に輸出するものがないので、輸入販売が商売の中心となる。
彼等はハジ巡礼者のためにメッカやメジナを訪問する外国人向けに、海外から膨大な量の生活物資や電気製品を輸入する。周辺国の巡礼者は、自分の国では気に入った製品が安く買えない。サウジアラビアへのハジ巡礼者にとって、一生に一度の海外旅行である。巡礼者は、ラジカセ、テレビ、ビデオデッキ、炊飯器などを購入し、土産として自国へ持ちかえる。
この金額は膨大な金額になる。サウジアラビア商人の商売は、自国の人たちへの販売ではなく、ハジ巡礼者への販売で成り立っている。彼等、海外との貿易で成功したビジネスマンは商談のために度々海外へ出掛ける。これらの成功したビジネスマンには、エジプト、英国、アメリカに、第二夫人、第三夫人、第四夫人と、いやそれ以上にたくさんの奥さんを持っているケースがあるようだ。これらは、あくまでも例外中の例外であるが。
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