問題解決力のある
M5型組織
づくり

その②
M5型組織のモデル化

マネジメント原則

 はじめに
「M5型組織」のモデル化
「日本版6シグマ」における「M5型組織」の運営
「日本版6シグマ」で求められるM5型組織力

M5型組織」の運営
「5つのマネジメント原則」

 「BSTプログラム」での実戦で自己を変革する


はじめに

  GE社に代表されるアメリカ企業の6シグマにあって、ジャック・ウエルチは、社員一人一人に「自分の仕事に自覚を持って欲しい。仕事の指示を待っているようでは困る。社員自身が意志決定してよい。自分たちも会社の経営に参加しているという気持ちをもって欲しい」と訴えました。そして、こうした訴えに応えられない多くの社員を解雇「People Out」しました。
  
  
J・ウェルチの「People Out」は、問題解決力ある「M5型組織」をつくるというものであり、アメリカ企業に一般的な指示命令で動く「M0型組織」の否定であり、さらには、当時世界をリードしていた日本企業の和と協調重視の「M1型組織」を否定するものでもありました。

 J・ウェルチは、「People Out」で階層をフラットにするダウンサイジングを断行し、その上で、品質の向上と安定化を中心とした業務革新のために、内外からアイデアを探しだし、素早く経営に取り入れる「学習する組織」、つまり問題解決力のある「M5型組織」づくりをめざしました。


「M5型組織」のモデル化
 J・ウェルチの「People Out」すなわち「学習する組織づくり」は、ベルヒュード研究会の「M5型問題解技法」を武器とする「M5型組織づくり」に通じるものです。
 「
M5型組織」は、次の6つの基本を原則とする組織です。「M5型組織」に向けた組織変革は、経営が「6シグマ経営」を目ざす上で、自らの問題意識とリーダーシップで意思表明すべき最重要課題です。

「M5型組織」の6つの基本
①小規模でフラットな組織。
②多様な人材が共存する組織
③人材がネットワーク化され、情報の発
 信、共有化が進んでいる組織。
④組織の価値観が全体に共有されている
 組織
⑤問題解決技法の教育が重視される組織
⑥適材適所の配置、評価、処遇・報償・抜
 が
行われる組織

日本版6シグマ
における
M5型組織の運営

①「6シグマ」に関して、経営・上司と社
  員、社員と社員の間で、デジタルインフ
 ラで自発的な情報の収集、発信と共有化
 が行われる。
②「6シグマ」の運営方法について、全社
 的に簡便で確実な「BSTプログラム」
 が共有化されている。
③「6シグマ」の進捗状況に応じて、責任
 者および社員の主体的な提案で臨機応変
 に合議の場が持たれる。

④合議の場では、「BSTプログラム」を
 使って、次の「課題」に取組む。

 
 課題1
  経営の「No.1,2戦略」を踏まえた
  「経営方針、目標」の明確化と共有化

 課題2
  部門単位での「VOC」、「CTQ]
  の現状把握

 課題3
  部門単位での「VOC」の満足、「C
  TQ」の解決につながる「具体策」の
  データ化、ラベル化

 課題4
  部門単位での「KJ法」を使った「基
  本的課題」のコンセプト化およびイン
  デックス図解化による「SSP:戦略的
  6シグマ課題」の設定
  経営による「SSP」の承認
 
 課題5
  部門単位での各「SSP」別、実行計
  画の作成、進捗管理

 課題6
  実績を踏まえた業務革新結果の標準化
  および維持管理



日本版6シグマで求められる
M5型組織力

 「M5型組織」には、日本企業の「6シグマ」を成功に導く上で不可欠な「行動様式」がある。「M0型組織」や「M1型組織」の世界で身につけてきた「行動様式」からの脱皮が求められる。

 今日、日本企業はグローバルな競争力強化に向けて、コスト構造の正常化、付加価値の高い製品やサービスの創出という困難な課題をかかえている。あわせて、内需拡大施策を成功させ、世界経済の安定化に寄与するという国際的な使命と責任の問題もある。
 日本はいよいよ、これまでのキャッチアップ時代に訣別し、新しい価値創造の担い手として、主体的な消費者として、世界に寄与できる道を歩むことが問われる時代を迎えた。

 先ずは、協調性はあっても、自己主張のない非個性的な「M1型組織」からの決別である。
 そのためには、家庭でも、学校でも、企業でも、一人ひとりの多様な個性を重視し、尊重する社会システムありきである。企業における、経営革新や業務革新をめざす「M5型組織」および「BSTプログラム」をべースにした「日本版6シグマ」は、何にもまして成功させなければならな課題である。



M5型組織の運営
5つのマネジメント原則
①顧客ニーズへの対応を第1にして、常に
 社内事情よりも顧客の事情優先の考え方
 や行動を奨励している。
②メンバーの問題解決への参加意欲を高め
 るために、説得力よりは、誰からも率直
 に話を聴く力を持っている。
③メンバーの問題解決力をレベルアップす
 るために、「BSTプログラム」をベース
 にした課題設定のプロセスをリードする
 ことができる。
④最適な問題解決体制をつくるために、上
 下の関係なくメンバーに適材適所で仕事
 をまかせている。
⑤メンバーの可能性を最大限に引き出すた
 めに、「長所と成果」のワンセットを重
 視した加点主義考課を貫いている。


「BSTプログラム」
による
実戦で自己を変革する
 ベルヒュード研究会は、「日本版6シグマ」のための「OS」として、「M5型組織」の武器として、簡易な日本語による日常的なコミュニケーションを累積していく「BSTプログラム」を体系化した。

 「BSTプログラム」は、決して大げさなものでもないし、難しいものでもない。このプログラム実践こそが、「M1型組織人間」意識構造や行動様式の改革につながるのではないか。
 「BSTプログラム」は、経営の方針や目標を踏まえ、現場が「SSP」の設定と取組みを通して、問題意識や役割の枠組みをどう拡大していくか、具体的な行動の問題として考え、実行し、実績を上げる実戦を通して、自己を変革するプログラムである。 

back