J・ウェルチの
日本企業への期待!!
 

 組織のタエマエやルールを守る、和と協調を重視する、日本の企業社会に一般的な「M1型組織」は、1980年代、品質管理の面でアメリカの指示命令で動く「M0型組織」を相手にしませんでした。
 
 しかし今日、品質向上やコストダウンや新製品開発に向けて、厳しい課題解決が求められる時代になって、日本企業の多くは同質性を重視する「M1型組織体質」が足かせになって、今こそ必要な個性的な一人ひとりのやる気や知恵を経営の問題解決に生かすことができないでいます。

 生き残りをかけた戦いは、社員に自己責任を強調したり、無理難題を押しつける結果になり、「そんな無理なことをやれというなら、どうしたらいいのか指示して下さいよ」というように、「M1型組織人間」の「M0型組織人間」への回帰現象さえ見られるようになっています。


J・ウエルチは語る
日本経済は、5年から7年の間に、
活気ある強力な姿をあらわすはずだ!
 GE社が日本に160億ドルの投資をしたことについて、J・ウェルチは「なぜ、日本に進出するのか」と問われ、「日本には教育水準の高い労働力がある。規制もある。規制のいい加減な国にいけば規制のありがたみがわかる」といって、中国やロシアと日本の違いを語っています。
 
 そして、「日本がこの先3年間で、どんな姿になるかは予測できない。しかし、これから5年から7年の間に、活気ある強力な日本経済の姿があらわれるはずだ。マットに沈められているという考えをバネに、協力して働く企業があれば」と言っています。

 さらに、ダイムラー・クライスラー社の改革を例にして、「ヨーロッパは急激に変化してきている」とし、日本もソニーや東芝の例を上げ、「全く同じ道をたどりながら変化している」と言っています。
 
 しかし、「
根底から変わろうとしているが、・・日本のホワイトカラーの生産性の低さには、目に余るものがある」という指摘を忘れていません。
 さらに、「頭のよい国には、自分たちなりの打開策が分かっている。それは生産性の高い、オープンな社会をつくることである」として、「日本はその状態になりつつある」と言っています。


 日本は、再びアメリカの企業との戦いに挑まなければなりません。それは、日本に根付いた伝統的な「M1型組織社会」からの脱皮、「M5型組織」への文化的体質転換という根源的な挑戦を伴うものであることを、肝に銘じなければならないと思います。

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