フィンランド旅行記
森と湖と白夜、音楽
そして親切
第6回

ロバニエミ(Rovaniemi)
その2

涼子さんも一緒に町へもどり、日陰でアイスクリームをなめ、さてこれから午後はどうしようと、INFO(観光案内所)に入った。ロバニエミはそもそも冬のアクティビティー(スキー、オーロラ観察、犬ぞり、スノーモービルなど)では有名だが、夏はハイキング、サイクリング、保養くらいらしい。調べてもらうと、午後9時からのLapland Safari社のツアーがみつかった。夕食付きで一人120ユーロ。ちょっと高いが乗ることにした。涼子さんはやめるという。それまで少し寝ます、といって涼子さんと別れた。

ツアー参加者は僕ら以外に、アメリカ人の父娘、日本人の母と二人の娘(フィリピンのインターナショナル・スクールの夏休みで旅行中。長女は英国生まれで12才、次女はジャカルタ生まれで8才)であった。船外機つきの底が浅くて細長い川船に乗って川へ出る。溢れんばかりの水に透明な空と雲が映る。周囲の森がゆっくりと後ろへ流れてゆく。そして、船は小さな島に着いた。
そこは昔、切り出して川に流した木材を集めて筏に組む作業する場所だったようで、数棟の小屋が建っている。
中央の小さな広場には丸く木のベンチが並んでおり、真ん中に火を燃やす場所がある。ガイドはそこに白樺の薪をくべて薬罐をかけた。
夕食は鱒のステーキ、ジャガイモと人参のいためもの、クランベリー・ジュース、そしてコーヒーという簡単なものだったが、木の皿、木のフォーク・ナイフ、木のマグカップ、周りには野の花々、頭上には透き通った広い空と雲、心地よい風、なんとも贅沢な食事であった。

アメリカ人の父親は、ガイドと原発の話やプーチンのことや、福祉社会のことなど話していたが、面倒だし割り込むだけの英語力もないので、もっぱらキャプファイヤー気分に浸っていた。

11時にホテル裏の船着場にもどり、そこから4WD車でOunasvaaraスキー場の丘の頂上まで行った。そこからは眼下にスキーコースとジャンプ台、森と川がはるかまで見渡せて、地平線には今にも沈むかのように赤い太陽(写真)があった。もう午前0時にちかい。グラスにシャンパンが注がれ、それを沈まぬ夕陽にかざして飲んだ。スキーコースの草地にウサギが歩いていた。

そうそう、これを書き忘れてはいけない。6月24日(日)の夕食はおごってホテルのレストランでトナカイ肉のシチューを食べた。マッシュポテトで円状の土手をつくり、その中心にシチューを盛りつけ、クランベリーのソースとヨーグルトを適宜に加えて食べる。美味い。この日は川の向こう岸の林を散歩した。蚊とブユが多い。歩道と自転車道を兼ねた道が続いていて、時々、ノルディックスキーの夏トレーニングをしているランナーとすれ違った。


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