フィンランド旅行記
森と湖と白夜、音楽
そして親切
第13回

ミッケリ(Mikkeli)

7月3日(火)、晴、気温15℃
ミッケリへのバスは宿のすぐ近くのバス停で乗ることができた。9時25分、時間通りにバスが来た。バスはひたすら森の中の幅の広い道路を走る。ときどき「ムースに注意」という標識をみる。10時50分にミッケリ駅前に着いた。23.3ユーロ/人。バスの女性運転手が「Socos Hotelはああ行って、こう行って」と丁寧に説明してくれたが、スーツケースをひきずって歩き出したら、通りかかった若者が「どこへ行くんですか」と聞いてくれ、「それなら、私の行く方向です」といって先導してくれた。

ミッケリを代表するのは、何と云っても、英雄Mannerheim将軍である。広場には銅像が立っている。(写真)
フィンランドの独立戦争における防衛軍の総司令部跡があり、将軍ゆかりの様々な建物や物が町のあちこちに見られる。今も広い軍隊駐屯地が大学のとなりにあって、軍服姿の人をよくみかける。
地図をひろげてみると、ロシアのサンクトペテルブルグとフィンランドのミッケリとは、国境をからほぼ等距離にあり、その間は4本の幹線道路でつながっている。

駅でヘルシンキ行きのキップを買おうと窓口に並んだ時、私の前はロシア人の家族で、サンクトペテルブルグへの直通列車の座席を予約していた。ホテルのロビーにはロシア語の新聞も置いてある。博物館は軍事的なものばかりで、見るつもりで博物館の前に立ってはみたが入らなかった。

教会からつながる道の先の広場には、例の如く、KauppatoriとKauppahalliがある。(写真
ここのHalli (屋内マーケット)は近代的なショッピングモールに吸収され、肉屋、魚屋、パン屋、菓子屋といった旧来の店は最奥に押しやられて、居心地が悪そうである。
その旧来店の正面に、スープ、パン、ジュースまたは牛乳、コーヒーで6ユーロという店があった。気になっていたスープとパンだけの食事だ。
列に並んでボウルにスープをよそってもらい、パンふた切れとクランベリージュース、コーヒーをトレイにのせて、おばあさんが一人で食べているテーブルに同席させてもらった。
スープは素朴だがお腹にしみる味で、ちょっとボソボソの黒パンとよく合って美味しい。スープを飲み終わってしまったら、おばあさんが何やら云っている。どうやら、「お代わりができますよ」と云ってくれたようだった。

陽の当たるカフェには人がゆったりと座っていて、空はあくまで透き通り、穏やかな時間が過ぎてゆく。羊雲は動かない。列車もバスも1時間から3時間に1本程度。これがフィンランドなのだ。


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