フィンランド旅行記
森と湖と白夜、音楽
そして親切
第12回

サヴォンリンナ(Savonlinna
その2

7月2日(火)、雨、気温15℃
今日は一日、どこへも行かないことにした。外をときどき傘をさした人が通るだけで、濡れた白樺の葉がチラチラとゆれ、その光が窓から入ってきてベッドシーツに反射する。Tシャツとパジャマのズボン姿で枕を背中にあて、雨の音を聞きながら、ベッドの上で本を読んだ。飽きたら下手な絵を描き、疲れたらベッドにもぐりこむ(右ホテルの部屋左下部屋のカーテンの柄

私が持ってきた本は、グレッグ・モーテンソン、デイビッド・オリヴァー・レーン著「スリー・カップス・オブ・ティー」藤村奈緒美訳である。カラコルムにある世界第2の高峰K2に挑み失敗した米国人登山家モーテンソンが、世話になったパキスタン辺境の村人に「学校を作る」と約束したことに始まり、現在も、パキスタン、アフガニスタンでイスラム教の女の子のための学校つくりに奮闘しているというノンフィクションである。その凄まじい現実と実行力に圧倒される。
フクシマで奮闘されている友人の井上さんのことを思い出す。こんなに静かで穏やかな場所と時があり、そこに僕はいるということがちょっと後ろめたい。


雨が小やみになったので、スーパーへ買い出しに行った。昼食用にピザ、夕食用にトナカイ肉とマッシュポテトのパック、サラダ、紅茶のティーバッグ(Russian Earl Grey)、ビール、リンゴなど。受付のおばさんから鍋や食器を借りてきた。

午後遅くに雨が上がったので、近所の住宅地を散歩した。どの家もいろいろな花で飾られ、手入れがゆきとどいて、薪が積み上がっている。しかし、ほとんど人影はみられない。おばさんに聞いたところでは、フィンランドの普通のサラリーマンは朝5時に起き、7時から16時まで働き(1時間の昼休み)、午後5時には夕食をとり、9時には寝るとのことだ。


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