フィンランド旅行記
森と湖と白夜、音楽
そして親切
第11回

サヴォンリンナ(Savonlinna

サヴォンリンナの中心街は二つの湖を遮っている島の上に開けていて、オラヴィンリンナ城(写真はその脇の狭い水路の真ん中に立ちふさがるごく小さな島にある。僕らの宿は中心街から約4kmほど離れた低い丘の上にあって、周囲は白樺などの林に囲まれた住宅街である。ほぼキュービックな建物が数棟あって全体がSummer Hotel Malakias と呼ばれている。
管理棟にはおばさんが一人、いつもパソコンとにらめっこしているが、いつでも何でも気軽に陽気に相談に乗ってくれた。部屋には、ひろいベッドルーム、テーブルと2脚の椅子のあるDK(冷蔵庫、食器棚、電磁調理器、オーブン、流しがついている)、トイレ室とシャワー室は別々、二つの衣装棚、各種の棚がついている。

レストランはないので当然朝食もついていない。おばさんに教えて貰った近所のスーパーで、朝食用に黒パン、ハム、チーズ、クランベリージュース、ミニトマト、リンゴなどを買ってきて冷蔵庫に入れておいた。

後で判ったのだが、この建物は大学の学生寮で、5月末から9月までの休暇の間、ホテルとして有効利用していたのであった。

7月1日(日)快晴
一転して暑くなった。おばさんは、「当分続くとの予報だけど、暑いのは嫌だわ」という。

幹線道路沿いにぶらぶらと歩いて町の方へと下っていくと、道路脇に「サーカス・フィンランディア本日2時から!」という立て看板をみつけた。「ラッキー、今日はこれだ!」
途中でショートカットしたのが間違いで迷ってしまい、通りかかった自転車の人に教えて貰って、やっと船着き場の前のマーケットに着くことができた。カミさんは少々おかんむりだ。
マーケットで軽い食事をとった後、湖畔に沿って歩いてゆくとオラヴィンリンナ城へ渡る橋がある。その近くの日陰のベンチに座って、お城とそこへ出入りする観光客などをぼーっと眺めて休んだ。ロシア人が多い。町中に SAVONLINNAN OOPPERAJUHLAT という旗がはためいている。
7月5日から8月4日までの1ヶ月、お城で毎晩オペラが上演される。このフェスティバルは100年目になるそうで、この期間に4万人超が訪れ、ホテルは満員(Malakias も予約で一杯だそうだ)、ホテル代は高騰する。

やっと重い腰を上げて、小さいが高級そうなホテルが並んだ道を通り、鉄道橋の線路脇を歩いて渡り、サーカス・テントのある広場へ着いた。もう音楽が鳴っていて、子供達が綿菓子やアイスクリームをねだっている。ピエロが入り口で子供と握手している。チケットを買う。窓口の陽気なおばさん「えーっ、歩いてきたんですか?よくこの場所が判りましたね。」。
なんと、ここでもシルバー割引券(25ユーロ/人)があった。こじんまりしたショウだが、観客席から飛び入りした人達もピエロと一緒に楽しんでいて、僕らも久しぶりのサーカスをすっかり楽しんだ。終わるとすぐに舞台に敷いてあった板を外しはじめる。もう、次の町へ移動する準備なのだ。夕食は中華レストランでとった。夕立が降ってきたので、タクシーを拾って宿へ帰った。


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