新連載
 その74  深センのホテルの水


                      ホテルの水も金次第
 久しぶりに滞在した深センのホテルの水には困惑した。シャワーを浴びる水がどぶ川の臭いがするのである。毎日摂氏30度を越す暑さの中からホテルに帰ればシャワーを浴びたくなる。今回はシャワーを浴びている途中でお湯が水に変ることはなかったが、どぶ川や運河の水をかぶっているようで、すっきりした気持ちになれない。毎日、毎回のことだから、このどぶ川の臭いにはまいった。
 勿論、水道の蛇口から出る水も同じである。手を洗う程度であれば何とかがまんができる。しかし、毎回歯を磨くには口に含まなければならない。私は、比較的食べ物やこの種の臭いに関しては敏感な方であり、全く使用する気になれなかった。部屋の冷蔵庫には、冷えたペットボトル蒸留水が入っているが結構な値段である。これを歯磨き用に使うには高すぎる。幸い、近くにスーパーマーケットがあったのでペットボトルで飲料水を大量に買い込んでこれを使用した。
 このホテルの蒸留水ペットボトルは、500mlのもので一本 10元(日本円150円)である。サンミゲルやカールスバーグビールは13.5元(約200円)、ハイネケンは20元(約300円)で、ビールの値段とあまり変わらない。スーパーマーケットの値段は、同じサイズで一本 1.3 元(約20円)。これなら歯磨き用にどんどん使ってもおしくはない。外出する時は、通常冷蔵庫のペットボトルを持ち出すのだが、今回はスーパーで購入したものを冷蔵庫に入れておいて使った。部屋で飲むのもすべてスーパーマーケットから購入したものを使用したので飲料水に関しては、大変経済的であった。

 今回滞在したのは、深センでも比較的高い方のホテルだっが、それでもこの始末である。深センは中国でも南の方で雨季があり、水は豊富な方である。水の豊富なこの地区でこのありさまであるから異常渇水のある地方のホテルではもっと大変であろう。
 ただ、同じ深センでも、もっとグレードの高い、つまり、高級なホテルに滞在すればこんなことはない。シャワー用の水も快適であり、お湯も出なくなることはない。洗面所には、飲料水用の蛇口が別に付いており、冷たい水がでる。冷蔵庫には、ペットボトルも準備されている。ホテルの水も金次第というところだ。


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