新連載
 その73 深セン最先端企業の残業食


         優秀な社員を確保し、能力をフルに発揮させるための残業食

 今回紹介している深センの最先端企業も残業はする。残業をする社員のために残業食も準備される。計画的に仕事をして、その日の見通しを確定した上で、残業になることが明確になった場合、社員は残業食を申し込むことができる。その締切は、毎日午後3時、会社の受付け担当が残業食の予約を受付ける。これに間に合わないと残業食は支給されない。
 夕方、5時になると業者が弁当をカフェテリアへ届ける。発泡スチロールの器に入れてくるので暖かさが保たれている。日本の企業でも残業食までこのように準備をしているところは少ないのではないか。名の通った大手の企業でも、夜遅くまで残業しても何も準備されないどころか、残業手当さえも十分支払われないところもある。中国先端企業の経営者の、働く社員に対する配慮が伺われる。

 日本人スタッフもここで働いている。彼等も、残業食は注文できる。日本からの客でも、予め会議や実験などで夜遅くなることがわかれば注文しておいてくれる。だが、メニュウだけではどのようなものが出てくるか分からない。ここではみんなで知恵を出し、工夫する。先ず、料理の内容が大体見当付くものを注文する。或る人数がいる場合、一人分だけ全く新しい料理を注文する。その結果をメニューのコピーを残しておいて、これに食べた印象を書き加えておく。味が日本人にあいそうだとか、うまかったとか、これはやめた方が良いなど。また、近くで中国人社員が食べていて、うまそうな弁当があれば、そのメニュウを教えてもらって、データをためておく。とにかく、中国では、食べることに関しては、工夫をすれば、あまり苦労することなく過ごすことができる。

 ここで支給される残業食の種類が非常に多いのに驚く。メニューがあったので数えてみた。各人の健康状態や嗜好に合わせて自由に選択できる。毎日残業をするとして、半年以上毎日違った料理を食べることができる計算になる。

ご飯とおかずのもの 140種類
味付けのおかゆ   8種類
白いおかゆ  15種類
麺類  25種類

 費用はすべて会社負担であり、一人当り、一食10元、日本円にして約150円から170円程度である。人事担当者によれば、これも優秀な人材を確保し、維持するための施策の一つだそうである。中国人は、結婚しても共働きが多い。残業をする場合は、会社の残業食でその日の夕食は間に合わせることが多いそうである。


back