新連載
  その24  アメリカビジネスマンのキャリア開発


                       アメリカで資格を取得する方法

 アメリカでは、会社で人を採用する場合必要な能力を持っているかどうかで判断する。給料も、能力とそれに見合った仕事で決定される。年齢、性別には関係ない。さらに能力を高めたい人は、自分で勉強するか、夜間に学校へ通って、新しいこと、高度な知識を学習する。能力を高めた時点で、更に高い給与を交渉するか、さもなくば、転職をする。
 アメリカ人は、独立心も親から教育されているため、教育のための資金はすべて親掛かりではない。大学を卒業して最初の会社に入り、仕事をしながら、資金を貯える。社会の仕組を見つめながら、ある程度の資金をためたところで、大学院へ入学し、MBAの資格などを取る人が多い。
 
 MBAのコースを例に取れば、このコースに入るためには、企業で2〜3年働くのが普通である。民間企業や政府機関でビジネスを実際に体験し、ある程度社会の制度も含めて理解していることが、このコースで学習する条件になっているようである。2年間の学習は、結構厳しい。毎日、毎週、読まなければならない図書の数は非常に多い。読まないと、授業を理解できないし、ついてゆけずに落伍するしかなくなる。しかし、この苦労を乗り越えて、このMBA資格を取得すると、ある程度将来が保証される。
 
 PHDやMBAの資格を持った人は、採用された時点から、その会社での仕事の方向や処遇が決められており、順調に昇進してゆく。企業の規模にもよるが、組織の中でかなりな仕事を任されて担当する。優秀なマネジャーのもとで、相当なしごきを受けて働きづめとなる場合もある。勿論、そうした人達は自立心や向上心は、十分持ち合わせている。給与は保証されているが、その代わり、朝の7時前から夜中まで徹底して働く姿が一般的である。その会社で、ある程度のレベルに達し、実績を上げると次のステップへと向う。つまり、他の会社へと転職をする。能力と実績により、他社から好条件のオッファーがあり、転職することもある。こうして、自分のビジネスキャリアを積み上げてゆく。
これがアメリカビジネスマンの実状です。

<ご参考>

USAの資格取得制度

1 日本の修士課程に相当するもの
(1)MBA 経営者を目指す実務向きのコース 修了2年間。
   大学を卒業し、数年の実務経験がないと入学できないところもある。実務を経験していないと、
   身につかないのが理由である。取得する平均年齢は、30から32才ぐらい。
(2)JD 弁護士等の司法試験を目指すコース 修了3年間。
   実務を経験しないでも入学できる。取得する平均年齢は、26歳位。
(3)MPA 上級の公務員を目指すコース 修了1〜2年
   取得する平均年齢は、26から28歳位。

2 博士課程相当
  PHD 博士号の取得を目指す。修了5年間。
  大学から直接入学するケースが多い。


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