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質問・回答 (3)

日本版6シグマの基本フローについて
6シグマの基本フローで、顧客ニーズ(VOC)を考える場合、品質の真の課題(CTQ)を抑えている点に感心しました。つまり、今までは、CTQを意識せずに、VOCだけ見ていました。そして、GQ(あるべき品質)の@水準、Aバラツキを根拠無く決定してきたことが、現在の設計品質を低下させた真の原因と感じました。
個人的には、6シグマ全体を水平展開する前に、この点だけでも、先行して水平展開すべきだと思います。特に、設計者には、CTQとGQを意識させることです。早速、昨夜、重要PJに関係する設計者に説明しました。
また、補足ですが、CTQには、設計者自身の「強み」と「弱み」、特に「弱み」を意識させる点が重要と感じました。この弱みがGQのリスクであることを設計者に意識させる仕組みを作るべきだと思います。

■製品の品質は、90%以上設計で決まると言われています。設計品質向上プロジェクトでは、商品企画から方式設計、具体設計、試作という一連のプロセスにおいて、各プロセスごとに「設計品質マネジメント課題」を明確にする検討を行っています。


チャンピオンの意志決定能力について
6シグマ活動の基本フローにおいて、経営責任者であるチャンピオンがすべての意志決定の判断を任されている点は理解でき、かつ納得いきますが、それではその判断の正当性(道理にかなっているか)については、どう検証するのでしょうか?
また、「舵取りできるリーダー」は、どのように研修していくと育成できますか?
問題意識ある人間をまず探すことではないかと思いますが、いかがですか?。たぶん、こんな指摘は6シグマではありえないと思いますが、いかがでしょうか?
CTQとGQを意識させることという考え方でよろしいでしょうか?

■日本版6シグマでは、SSP(課題)の決定については、理想の追求ではなく、VOC,CTQ、他社の競争力、納期等を踏まえて、チャンピオンがリスクを持って、経営的に判断すべきであるとしています。経営者の判断の正当性は、「リスク」をどう読むかにかかっています。
リスクの読みでは、感性が大事ですが、先に紹介した「Semi−E xact Science」に裏付けされた情報報処理能力がべースになっています。
情報処理能力は、ご指摘のように、
COPQやCTQ,VOC、GQ等に対する問題意識に左右されますが、情報に対する弁別能力、同定能力といったものです。経営トップ層がもっとも冴えなければならない能力分野です。


トヨタの組織モデルのレベルは
講師と目が合う席に着いてしまい、気を抜かずに聞いてしまいました。M0とM1は理解しましたが、現在の米国にM5企業が存在するのか、有名なトヨタはどのレベルかと素朴な疑問が今あります。
一般論が多かったので6σの特長が何なのか研修では把握できていませんが、興味をもって少し調べれば分かるのでしょう。
事例発表は「W法」ですか、具体的手法と効果が報告され参考になりました。しかし、未だ目を見張る効果を得るまでは道程は長そうですね。

6シグマ活動の必要性、M5型組織づくりの必要性は理解することが出来たが、まだ、一回目であったので手法が良くわからず、なぜこの手法を用いれば、問題解決がうまく行くのかが、発表のあった二つの事例からも、良く理解できなかった。
特にW型問題解決フロー部分。従来のQC手法(特性要因図等)といったい何が違うのか、今後の研修に参加することにより、理解を深め実践して行けるようになりたい。

■M0型組織、M1型組織の否定は、組織の文化的な価値観の転換につながります。この意味で時間がかかります。あるいは経営トップの腕力が必要です。W型問題解決フローについては、日本版6シグマツール「M5型問題解決技法一覧」の中で、次回解説します。


トップダウンとボトムアップについて
6シグマについて勉強不足で出席させたいただいたため、各略号(VOC,CTQ等)に最初とまどった。資料等がある場合は、事前に配布をお願いします。品質改善等の手法として良い手法と思いますが、いかに実行する人へ動機付けするかが課題と感じました。

講習会資料の中に「中小製造業における日本版6シグマ活動について」というレポートがありますが、
その中の3項で”トップダウンが重要で、ボトムアップがダメ”のような表現がありますが、組織モデルでは、”M0型(トップダウン型)はだめで、M5型(ボトム活性型)が良い”という解説になっています。矛盾とは言いませんが、考え方の違いが明確にわかりません。

■6シグマプロジェクトは、今日的な解決困難な経営課題であるからこそ、経営トップは 社員に自らの方針や価値観や思いを熱く語り、課題解決に全体を結集できなければなりません。この意味で、M0型的な指示命令ではなく、M5型的な熱く語ることによって 一体感を醸成し、ボトムを活性化させるトップダウン的パワーが必要なのです。


製品開発プロジェクトで
スピーディに確実に成果を上げるためには
井上先生には直接関係ありませんが、M5型組織の考え方と従来の「MBO」との齟齬はないのでしょうか。事例として、「A製品開発プロジェクト」ありますが、6月から開始して12月末までかかっているようですが、このように期間が長いのはトレーニングだからですか、それとも、常識的な期間なのでしょうか?

実際の適用PJの成果報告がありましたが、シックスシグマの導入で成果が得られた証拠がつかめなかったことと、この手法を用いれば、設計者が誰でもうまくいくわけではないでしょうし、所詮人の能力や意欲、センス、創造力について回ると思います。このような考え方を払拭するような説明が,、次回お聞かせいただけるのかも知れませんが。

新しいことを取り入れる場合、その初期段階では、効率が落ちる。
何か新しいことをやると、すぐに効果がでると考えると失敗する。
よって、形式的でなく、形骸化しないように、末端まで全員に理解させて本当の6シグマを実践し、その効果が現れるまで、あせらずに、確実に実施して行く必要がる。

■これからの経営は「確実さ」と「スピード」がキーワードです。M5型組織風土やM5型問題解決ツールを重視する理由もここにあります。問題が複雑で解決が困難であればある程、日本版6シグマ的なオーソドックスな攻め方の方が急がば回れです。ただ、時間がかかるということは決していいことではないですので、あまり時間も労力も懸けないで、どんどん成果が出せるやり方を工夫していく必要があります。
そこで、この一環として、「設計品質向上プロジェクト」を平行して進めていますが、製品設計開発部門としての競争力つまり、開発COPQを限りなくゼロにする力、もっと定量的に言えば開発コストを従来レベルの半分以下にするための力をつけるために、開発部門として整備すべき次の「3つのインフラ課題」を検討しています。

3つのインフラ課題
@商品企画から方式設計、具体設計、試作という一連のプロセスをスピーディかつ確実に展開していくための「マネジメント課題チェックリスト」の整備

A設計エンジニア、チームリーダー、プロジェクトマネージャーに求められるコアコンピテンシーによる評価体系としての「6シグマEBC」の整備

BプロジェクトにおけるSSP,S・SSPの設定と実施成果の評価体系としての「6シグマMBO 」の整備


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