日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

社長さん、自分の小遣いの少なさを
冗談でも、社員に愚痴ったりしないで下さい!

 先日会社の方から、社長さんが従業員の前で小遣いの少ないことを「愚痴っている」と耳にしました。社長さんは自分の小遣いが少ないのを愚痴ったりしないで下さい。社長さんの年収が1000万円を超えていることを、従業員は会社の内外から漏れ聞き知っているはずです。会社は十分利益を上げているのですから、本当に小遣いが少なければ自分の給料をもっと上げればよいのです。

  若い世代や子育て世代は、現在の給料で、共稼ぎもして何とか我慢しながら、将来に夢を託して懸命に働いています。確かに給料は高い方がいいですが、従業員は他社と比較して、「まあ止むを得ない」と納得しているのだと思います。社長さんは、従業員の日常の苦労に同情し、ねぎらうつもりで、自分の小遣いの少なさを、冗談半分に愚痴ったのかもしれませんが、それは従業員に良い影響を与えません。


従業員は給料は低くても
社長に将来を託して働いているのです!
 社長さんと従業員の小遣い比較すること自体ナンセンスです。金額のレベルが全く違います。「俺も少ない小遣いで我慢している」と言っても、従業員には理解してはもらえません。もちろん、従業員は社長さんの資金繰りの御苦労は十分知っています。しかし、社長さんの愚痴ば、従業員の給与を上げないための牽制位にしかとられません。給料の高い社長さんの愚痴りは、逆に惨めに聞こえ、反発されるだけです。
  従業員は、現在の給料には満足しているわけではありません。しかし、将来給料が上がることを社長に託して働いているのです。ですから、社長さんは、従業員の前で自分の小遣いも少ない等という愚痴を、冗談でも決して言わないで下さい。社長さんには、いつも堂々としていてほしいのです。苦しいことがあっても、大きな背中を見せてほしいのです。先ずは、お金以外の何かで、従業員のやる気を高めて下さい。
 愚痴がホンネなら、社長さんの生き方がどこか間違っています。愚痴る位なら、誰か優秀な経営者に社長の役割を任せればよいのです。従業員の前で小遣いの少ない愚痴を、冗談でも決して言わないでください。


「日本版6シグマ」からの提案
お金以外で、社員の志気を高める方法は?!

 「6シグマ経営」のジャック・ウエルチは、「私の仕事で、今最大の課題は、社員の士気を高めることです。一番良い方法は何ですか」という質問に対して、「お金以外に、という意味だよね?」として、「私なら、こうする」と次のように答えている。
 ジャック・ウエルチは、「社員に怪気炎を上げさせるのにお金がいかに効果的か、仕事の面白さとか一緒に働いている同僚とかも志気を高めることがよく知られているので、ここでは触れない。では外に何があるか。幸いなことに四つの志気を高めるツールがある。いずれもお金がかからず、しかも効果的だ」と、ズバリ、次のように答えている
 第一は、簡単だ。認めてあげること。個人やチームが大きな取引や改善を成功させたなら、会社全体に発表し、賞を手渡し、ことあるごとにそのことにふれ、大げさな位に騒ごう。
 第二は、お祝いすることだ。大小を問わず、勝利を祝うことだ。お祝いは、人々の気持ちを繋ぎ止めるものすごく効果的な方法だ。但し、夕食に招待してあげることはお祝にならない。仕事が終わった後にまで強制的にレストランに連れて行かれるのは、例えどんなにおいしい食事でも、士気を高めることにはならないからだ。
 第三は、社長自身が会社をどうしょうとしたいのか、はっきりしたミッションを示すことだ。すぐれたミッションは、社員の気持ちを高揚させ、身も心もとらえて離さないものだ。
 第四は、「タッチ」だ。「タッチ」とは、社員に成功の喜びとさらなる挑戦の気持ち持たせるモチベーションの仕方だ。もっとわかりやすく言えば、押したり引いたり、上げたり下げたりして、やる気を起こさせる仕事を上手くつくる力だ。そうした力を持ったボスのもとで働く社員は、もっとやる気になり、それが業績に現われてくるものだ。


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