日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

友人の会社の保証人になった以上、
逃げることはできません!

 社長さんから、現在ある友人の会社の融資の保証人になっているが、保証人から逃げる上手い方法がないかご質問がありました。私は弁護士ではありませんので、法律的にどのような方法があるかすべて分かってはいるわけではありませんがまず無理でしょう。
 金額の大小にかかわらず、保証人なしでは融資は受けられませ。社長さんがどなたかに保証人をお願いする場合のことを考えてみて下さい。最近、社長さんの会社も苦しいので、保証人を下ろさせて欲しいということですが、一端そのことを口にしてしまえば、保証人を約束した友人に顔向けできなくなります。その上、社長さん自身の社会的な信用も失うことになるかも知れません。


それでも、今すぐ融資の返済を
迫られているわけではありません! 
 最近売上が激減している会社は、社長さんの会社だけではありません。販売量が減少した上、価格が下がっているのですから当然です。それでもいったん保証人になった以上逃げるわけにはいきません。連帯保証人の場合はさらに条件が厳しくなります。だから、安易に保証人を引き受けてはならないのです。一日も早く信頼のできる弁護士に相談してみて下さい。
 ところで、保証人問題から逃げ出したい社長さんの気持ちはわかりますが、今すぐ融資の返済を迫られているわけではありません。債務者である友人の会社も、最近の厳しい経営状況からの脱出は簡単ではないと思いますが、今が踏ん張りどころです。友人と一緒に適切な対応を考えるしかありません。将来の見通しが明確になれば金融機関も協力的になります。そのことを知らせて力になって上げて下さい。
 幸い、社長さんの会社も友人の会社も、規模は小さいですが、競争力のある製品と技術を有し、それぞれ将来性ある市場分野で評価されてきています。お互い中小企業の社長同士、いいい機会です。お互いぐずぐず心配ばかりしていないで、それぞれの主力製品について、品質の安定化、コストの低減、納期の短縮に向け、社長と現場が一体となって問題解決に取組み、販売先を拡大するプロジェクトを立ち上げることにしませんか。そして、お互いに会社の売上と利益の拡大を図ることです。社長が後ろ向きで逃げ腰になっていては、従業員もついてきません。この機会に、友人の会社と連携し、全社一丸となって頑張るプロジェクトを是非立ち上げて下さい。そして「俺について来い」という気概を見せて下さい。
 


「日本版6シグマ」からの提案
中小企業同士、いい機会です、
  連携して「6シグマプロジェクト」の立ち上げを!

 ここでは、中小企業の社長同士、融資の保証人問題を機会に、主力製品の「品質の安定化、コストの低減、納期の短縮」に向け、現場と一体となって様々な問題解決に取組み、販売先を拡大し、会社の売上と利益の拡大を図るプロジェクトが提案されている。
 これはまさに、顧客の声「VOC」を重視し、製品や業務の品質不良からくる無駄なコスト「COPQ」を最小にする経営トップのリーダーシップと現場のボトムアップ力が一体となった問題解決活動、即ち「6シグマプロジェクト」そのものである。
 その実施のロードマップとツールの全体は、「日本版6シグマ」のための「BSTプログラムハンドブック」に詳しいが、ここではそのアウトラインを整理しておくこととしたい。

第一ステップ
問題提起ラウンド
・該当主力製品・技術の絞り込み
・主要顧客の確定
・6シグマプロジェクトのステートメント化
第二ステップ
現状把握ラウンド
・クレームの定量的把握
・顧客の声の収集
・顧客ニーズの本質把握と重点化
・製品および業務別「COPQ」の定量化
第三ステップ
基本課題設定ラウンド
・業務別改善課題のデータ化
・改善課題データによる
 「6シグマ課題」のコンセプト化
第四ステップ
具体策ラウンド
・「6シグマ課題」別具体策のデータ化
・具体策データ処理による
 「6シグマ課題」の再コンセプト化
第五ステップ
実行計画作成ラウンド
・「6シグマ課題」別チームの設定
・「6シグマ課題」別具体策の再吟味
・「6シグマ課題」別実行手順書の作成
第六ステップ
進捗管理ラウンド
・実行手順書に基づいた実施状況の共有化
・実行手順書の手直し
・「6シグマ課題」別
 業務プロセスの設計、再設計
・業務プロセス別改善成果の維持管理 


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