日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

 社内に閉じこもっていては
今日の競争環境の変化に疎くなるばかりです!

  世間が不況と言われる中でも、着実に売り上げを伸ばし、利益を上げている中小企業の会社があります。その会社の社長さんは、「儲かっている」とは決して言いません。しかし、見えないところで努力をして成果を上げています。その社長さんは、「ごく当たり前のことをやっているだけ」と、自分の仕事ぶりを誰かに吹聴したり、自慢したりしません。この会社を訪問して話を聞くと、やっぱり「儲かっている会社の社長さんは勉強している」ということがわかります。
  その一つが他の業界の人々との交流です。経営者の中には、「私は酒が飲めないから」とか「話が下手だから」とか「人付き合いが上手くないから」といって、こうした集まりに全く参加しない方もいます。中小企業の社長が社内にこもっているようでは、いい情報が入ってきません。業界の状況や市場動向にも疎くなります。お付き合いの苦手な社長こそ、前向きに交流会に参加し、刺激をもらい、勉強をし、視野を広げたいものです。


中小企業の社長だからこそ
共に学び、刺激し合える仲間づくりを!
 特にお奨めは、業界や業種の異なる経営者との交流会への参加です。業種が異なるとお互いに警戒する必要もなく、ざっくばらんに話ができます。社長さんは、この種の会合はあまりお好きでないとお聞きしました。しかし、最初は社長さん同志の会話を横で聞くだけでもいいと思います。その内、誰か話を振ってくれますから、自社の得意としている分野や技術、小回りが利くという強み等、それとなく話をしてみることです。そして相手から忌憚のない意見を聞くことです。
 こうした情報交換から、思わぬヒントや刺激が得られます。何か言い話が舞い込むこともあります。名刺交換もできます。メール等でやり取りを続け、だんだん具体的な話題で情報を交換したり、お互いに相談をし合ったりできる親密な関係もつくれるようになります。

 社長さん、役に立つとか立たないとかあまり気にしないで、社長の勉強の場だと思って、こうした集まりにはぜひ参加してみて下さい。会社に閉じこもっていては、事業を大きくできません。その内、自社の工場を見てもらったりして、積極的にアドバイスをお願いする位の付き合いにつなげて欲しいものです。こうした付き合いを心がけることで、お互いに勉強し、頼ったり、頼られたりする関係をつくることができます。ギブアンドテイクのつきあいです。

 交流会は「ただの飲み会ではないか」とか「時間の浪費だ」と批判的な人達もいます。しかし、決してそうではありません。先に紹介した中小企業の社長さんは、「勉強しあう仲間づくりのためには、ギブを多くするくらいでちょうど良い」と言っています。社長さんも「忙しい、時間がない」等と言わずに、社長さん自ら仲間づくりに行動を起して下さい。行動を起こせば、社長さん自身も周りも変わります。色々な交流会をご紹介します。私もお手伝いしたいと思います。(2009.10.11)


「日本版6シグマ」からの提案
社長は学び、変化せよ!

 一般的に、中小企業は経営基盤が弱く、世の中や業界の環境の変化に影響されやすい。社長は自ら学び、自分自身を変え、会社自体を変革することに真剣でなければならない。特に、個人企業が多い中小企業にあっては、オーナーである社長が変わらなければ、会社は変わらない。変わらない会社の行く先は企業の墓場である。
 「6シグマ経営」のジャック・ウエルチは、今日の競争環境の中で生き残るには、「お互いから学習する、特に社外から学ぶ」ことの必要性を強調している。日本の中小企業が、今日の世界的な競争環境の変化を行き抜いていくために必要な能力は何か。それはGE社の「6シグマ経営」に見られるように、「経営トップの社長自らが外から学ぶ能力と社長が学んだことを自らのリーダーシップですばやく会社に取り入れ、モノにする行動」ということではないだろうか。
 ここで「何を学ぶか、誰から学ぶか」は様々な方法がある。学者やコンサルタントから教わることもできる。異業種交流会で出会いのあった立派な経営実績のある仲間から学ぶことも確かな方法である。しかし、ここで心しなければならないことは何か。それは新たに学んだことをすぐに身につけて会社に持ち込む行動がなければ意味がないということである。


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