日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

クレジットでの支払サービスは
時代の流れです!

 先日、社長さんのホテルに「ホテルサービス研究会」で宿泊させて戴きました。チェックアウトの際、支払いは現金だけと言われてメンバーが戸惑っておりました。係りから「田舎町なものですから」とか「地震の被害が大きかったものですから」とか言い訳けを聞かされましたが、「現金の支払が当然です」という傲慢な態度が感じられる応対でした。多分社長さんの方針が従業員への態度に表れているのではないでしょうか。
  社長さん、支払方法は現金、クレジットいずれか選べるようにしたいものです。現在、大抵の旅館、ホテルでは、また金額の小さなタクシーでも、クレジットカードで支払いOKの時代です。もちろん、クレジットカードは不安だからとか現金主義だからと言って、カードを使わないお客さんはいます。しかし、現在は、現金でしか支払いできないのは時代遅れです。


クレジット支払いの入金には
時間を要しますが!
 最近、ビジネスマンも現金を持ち歩かなくても困らなくなりました。キャッシュカードやクレジットカードでほとんどが済むようになっているからです。また、最近は、ポイントサービスをためて換金するとか、支払いに充当する等のサービスが若者の間では普通になっております。ポイントをためることを実利や楽しみにしているお客さんが多くなっています。

  予約の際に、カード支払について確認する顧客は少ないと思います。世の中全体がカードでの支払いOKは常識になっているからです。最近、ホテルや旅館のサービスには、ほとんど差がなくなっております。我々研究会も、社長さんのホテルに泊ってみて。サービスの点で他より優れた点は特にないという評価でした。もしこれからも、現金支払いしかできないとすれば、社長さんのホテルでは客離れが進むかもしれません。

  クレジット会社からの支払いには時間を要します。資金繰りの都合上、1日も早く現金がほしい理由はわかります。しかし、カードによる支払いは世の中の常識になっています。いい機会です。カード支払システムの導入を機に、少しでもリピーター客を増し、収益を上げるための業務革新を従業員と一緒に検討することにしませんか。あわせて資金繰りの問題も、別途しっかり検討しなければなりません。是非、ご検討下さい。(2009.6.25) 


「日本版6シグマ」からの提案
クレジット支払システムの導入を機に
  業務改善課題に本気で取り組もう!

 ここでは、ホテルがクレジットカードによる支払システムを導入するにあたり、リピーター客を増やし、収益向上を図るための業務革新、即ちホテル業における「6シグマ課題」について、特に「PL」「BS」「資金繰り」の財務管理の視点から整理しておきたい。 

 先ず「PL」で、本業の売上、原価、費用、利益の推移を把握する。「BS」では、資産の部の現金・預金のほかにクレジット決済による入金、仕入れ材料や商品等の棚卸資産をチェックする。次に負債の部の支払手形・買掛金・短期借入金・未払金等をチェックする。
 次は、「資金繰り表」によるお金の出と入りの管理である。クレジットカードによる支払システムの導入で、現金化に時間がかかることを踏まえ、「資金繰り表」を作成し、手持ちのお金とこれから入ってくるお金をあわせて、支払いに充当しつつ、突発事項に備えて十分なお金を残しておくように管理する。
 これから入ってくるお金には、現金売上、受取手形の期日入金、借入れ金、受取手形の割引、貸付金利息、回収金等がある。
 これから出るお金には、現金仕入、買掛金支払い、支払手形の期日決済、諸経費支払い、税金支払い、借入金および利息返済等がある。

 資金繰りの健全化のためには、売上代金の入金は早ければ早いほど好ましい。一方、経費や代金の支払は遅いほど好ましい。しかし、クレジット決済による入金の遅滞がある一方で、競争力強化に向けて経費や支払いの早期化、現金化も目ざす必要がある。
 「PL」では、本業の売上、原価、費用、利益の推移を把握し、売上・利益拡大のためのサービス品質の向上、売上拡大、コストダウン、費用の節約等の「6シグマ課題」への取り組みが必要になるであろう。
 「BS」では、現金・預金の外に、クレジット決済による入金見通し、食材等の棚卸資産、さらには支払手形・買掛金・借入金等の流動負債を確認し、先の「PL」上の品質向上、売上アップ、コストダウン等に加えて、現金払いによる財務体質改善といった「6シグマ課題」にも取り組まなければならない。


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