日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

社長さんの中華のお店は
お客様への心使いに改善が必要です

 社長さん、まあまあたくさんお客様が来てくれていると言って、安心して、また、傲慢になってはいけません。美味しくても、社長さんをはじめ従業員の態度一つでお客さんの足は遠のいてしまうものです。同じ中華料理の店でなくても、近くにちょっと気の利いた感じのいい店ができれば、お客様はそちらに行ってしまいます。 
 お客さんにとっては、「おいしいから、近いから、たまたま」等、いろいろな理由にせよ、数ある店の中から社長さんの店を選んでくれたのです。お客さんが来店された時は、先ずは、心をこめてお迎えすることからすべてが始まります。


お客様への3つの心使い
いずれも落第点です!
 社長さん、お客さんが見えたら、「いらっしゃいませ」と元気よく、大きな声で、感謝の気持ちをこめてお迎えしたいものです。社長さんも従業員も、どちらかというと無愛想な感じです。
 社長さん、店のカウンター席やテーブル席の下は、お客様に荷物やバックやコート等を置いてもらうサービススペースです。毎日掃除をしてきれいに、清潔にしておきたいものです。
 社長さん、お客さんが食事を終え、店を出る時は、「有難うございました、ぜひまたお出で下さい」と感謝の気持ちをこめて見送りたいものです。お客さんへの気持ちがあるかないかで、頭の下げ方、下がり方、声のかけ方が違ってきます。

 社長さん、これらはすべて、社長さんや従業員の態度や言葉、店の整理整頓、雰囲気に表れるものです。今のところ、いずれも、社長さんの店は落第です。社長さんの店から歩いて5分以内の近くに、私が調べた範囲でも3軒の中華料理の店があります。店の大きさも雰囲気も同じようなものでした。
 これからが競争です。
 お客様への感謝の気持ちは、必ず伝わります。ラーメンの美味しさに自信があればこそ、お客さんへの感謝の気持ちも、他のどの店にも負けない対応をして下さい。気持ちを表すには、コストがかかりません。従業員全員でいつも気持ちよく、心をこめた応対して下さい。店の雰囲気が大きく変わりますよ。(2009.3.25) 


「日本版6シグマ」からの提案
ラーメン店から「6シグマ経営」を考える!

 ここでは、「ラーメン店の経営」の面から、あらためて「6シグ経営」について整理しておきたいと思う。ラーメン店にとって、自慢のスープの美味しさにバラツキが出たり、新しく入った従業員の応対がいま一つで、お客が減ったり、売り上げが落ちてしまったりすることはあり得る話である。
 「6シグマ経営」は、こうしたラーメン店の業務管理不良によって生じる損失、即ち「Cost of Poor Quarity」を限りなく最小化していく活動である。それは、「我が店のラーメンは一番!」という「No.1、2事業戦略」のもと、スープ作りのための材料の確保から調理方法、麺のゆで方、トッピングの厳選、お客の応対、店の清掃・清潔まで、あらゆる「内部要因:Critical to Quarity」を解決し、あらたな成果を生み出す活動である。
 それは「At the Customer For the Customer」の視点から、顧客に真の喜び「CD:Customer Delight」を与えられる美味しさやサービスを提供するための問題解決活動である。

 ここでいう「CD」とは数値では表せない、効率でもない、便利でもない、すべての人が脳や心で感じる、人間の原始的な感覚に訴える感動、即ち「Qualia」という概念である。それは顧客が企業の製品やサービスの中に期待以上の「思わぬ何か」を発見した時、実感する喜びのようなものである。それは製品やサービスを提供する企業の側の価値観、企業としての真摯な真面目さ、一生懸命さが反映されたものということができる。


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