6シグマ 社長さんへの手紙 |
最近入社された新人が大分慣れてきたところかなと思っていましたが、突然退社してしまったそうですね。大変もったいないことをしました。しかし、元気を出して次の手を考えましょう。 |
社長自身の働き方スタイルを 今回の新製品の製造・販売で、会社を大きくできる可能性があります。社長さんは、何でも自分でやらないと気が済まない性格のようですが、今後、仕事の量は一気に増えることになるでしょう。いいきっかけです、社長さん自身の働き方スタイルを、できれば一気に修正した方がよさそうです。 どんなに元気で働き好きの社長さんでも、仕事を任せられる社員を増やしていかないと、会社を大きく発展させることはできません。社員に仕事を任せることのリスクは授業料と考えることも必要でしょう。そのためには、任せた仕事が上手くいかなかったらどうなるか、ドライに損害を予測しつつ、権限を委譲していきましょう。
「GE版6シグマ経営」の中で、ジャック・ウエルチはゼネラル・エレクトリックのように巨大な企業こそ、大きな会社という意識を持った行動や考えを改めなければならないとして、@スリムになる、A機敏に行動する、B小さな会社のように考えるという3つが必要なことだとしている。そして、小さな企業が持っている貪欲さ、すばしこさ、精神そして情熱を結びつける方法を開発しなくてはならないとして、経営トップのリーダーシップのあリ方について言及している。 特筆すべきことは、ジャック・ウエルチは「Energize」の項目で、「仕事を任せ、上手くいっている時は褒め、上手くいかなかったら責任をとる」というリーダーシップが社員をもっとも元気づけることだ」ということを指摘していることである。
一気に修正するチャンス!
社長さんは「わずか5名の会社だから」とよく言いますが、新製品の開発も上手くいって、製造販売を早期に軌道に乗せなくてはなりません。だからこそ新人の補強が大事なはずです。忙しい中にも、少しでも新人と一緒に行動し、早く仕事を任せられるよう育てることです。
そのためには、ある一定期間、集中的に一緒に行動することが有効です。社長さんがやっていることを少しずつ任せてやってもらうことです。もちろん、大きな決断まですぐには任せるわけにはいきません。それでも「君はどう考える、どうしたらいいと思う?」と持ちかけ、問題なければやってもらう。リスクもありますが、リスクを恐れては人材が育ちません。リスクは覚悟の上で任せてみることです。そして「よし、俺が社長をサポートしなくては」と思ってもらえるようにすることです。
社員は、社長さんの行動や判断ぶりを見ながら、「この程度の仕事は任せてもらってOK」とか「これは無理」とか考えるようになるでしょう。そして、判断に迷った場合には相談するようになります。社長さん、新製品の製造・販売を機に、社員が元気を出してついてきてくれる雰囲気づくりに挑戦して下さい。(2007.12.14 中小企業診断士 加藤文男)
「日本版6シグマ」からの提案
中小企業トップのリーダーシップを考える!
「日本版6シグマ」は、経営トップのリーダーシップと現場のボトムアップが一体となった問題解決活動である。この意味で、ジャックク・ウエルチのいうリーダーシップは、日本の中小企業の社長に求められる「現場のボトムアップ力を束ね、牽引する力」としてのリーダーシップに通じるものがある。
ジャック・ウエルチは、次の「4つのE」という考え方に立ったリーダーシップを唱えている。
@自分自身がやる気に溢れている。「Energish」
A社員を元気づける。「Energize」
B困難な問題に挑戦する厳しさ「Edge」がある。
C結果を引き出す実行力がある。「Execute」
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