日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

お客さんの現場の声を検討する
商品企画会議を持ってみませんか!

 先日、営業担当の方から話を聞いておりましたら、製品を納入している建設工事現場から新製品に関する要望があるそうですね。社長さんのお話では、建設工事分野で使われる設備や材料は既に成熟産業で、「新製品など考えられない」とのご意見でしたが、現場には思わぬ製品の開発ニーズがあるのかも知れません。
 営業担当者は、現場を回って工事業者の声を直接聞いています。現在どんな工事現場でも価格競争が厳しく、コストダウンが要求されています。そこで、工事期間の短縮が現場の最優先課題になっています。手間をかけずに工事を早めるのに有効な設備や材料を欲しがっていることに間違いはありません。社長さん、毎月一度でも、現場の声を検討する商品企画会議を持ってみませんか。新製品が見つかるかもしれません。


社長さんの会社は、お客さんの現場と
直接コンタクトできる力を持っている!
  新製品の開発には、確かに「センス」を必要とします。最初は「とても、商品企画会議なんて」と怖気づいたり、抵抗したりするかもしれません。しかし、やってみなければわかりませんね。商品企画会議というような大げさなものでなくてもいいです。「お客さんの現場の声を検討する会」でもいいと思います。
  お客さんの現場の皆さんも、御社の製品の実績は既に認めてくれています。「現場の声を本気で聞いてくれる」とわかれば、もっと具体的な意見を出してくれるようになるでしょう。ほかに、「このようなものはできないか」と新しいニーズも出してくれるようにもなります。新製品開発に向けて、このようなお客さんとのやり取りが頻繁にできる会社に是非したいものです。

  社長さんの会社は、SWOT分析した結果では、「強み」は製造・技術部門を持ち、現場と直接コンタクトできる力を持っていることでした。この強みをぜひ生かしたいものです。この度のお客さんのニーズ程度は、現在の製造・技術部門の力で十分こなせるレベルです。現在の主要製品を核にしたサービスの一部に位置づけられものであり、お客さんとの信頼関係を強化する上でもぜひ成功させたい課題です。社員にも新しい夢と希望を与えるきっかけになる課題です。「お客さんの現場の声を検討する会」、ぜひ、スタートさせて下さい。(2007.11.17 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
お客の競争力強化に向け
既製品を核に付加価値サービスの提供を!

 ここでは、成熟産業と言われる建設工事分野にあって、これまでの設備や製品の製造・販売を核として、どんな事業拡大戦略がとれるかという問題が提起されている。これまで売り込んできた商品について、さらなるコストダウン、品質向上、納期短縮等の課題はあるが、当の顧客の側からすれば、価格競争が厳しく、収益向上に向けて工事期間を短縮することが最優先課題になっている。この路線を追究するために、一つでも二つでも関連製品や商品を作りだし、供給できる体制をつくる。これは主力製品を核にしたサービス事業戦略である。
 「GE版6シグマ」で、ジャック・ウエルチは「我々は顧客に様々な産業機器を売ってきたが、その資産が日陰に追いやられている。この資産に関連して稼げる事業サービスに目を向けるべきだ。我々はサービスのテクノロジーよりも製品開発に対するテクノロジーにのみ夢中になっていたのだ」という趣旨のことを語っている。
 この「GE版6シグマ」からは、これまで製造販売してきた主力製品の民間機用ジェットエンジン、タービン、機関車等の稼働率アップのためのメンテナンスから医療用診断機器で使われる消耗品の管理まで、顧客が必要としている業務を付加価値の高いサービス事業として成功させてきた実態をうかがい知ることができる。


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