日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

講師と張り合っても意味がありません!

 先日のお客様を招いての研修会での社長さんの行動はいただけないものでした。若僧の私から忠告するのは恐縮なのですが、これからもこのようなことがあると思いますので、一筆申し上げさせていただきます。

  せっかく外部講師を招いての研修会なのに、講師が話をするたびに、その言葉尻を捉えて「そんな話は、俺は良く知っている」というようなことをボソボソささやいていました。それも講師に聞こえるような声ででした。それは、自分に知識があることを周りにいる社員に誇りたいような態度でした。私はその声が度重なり、大変気になりました。社員の皆さんも気になるようでした。講師を何のために呼んだのかもう一度考え直して下さい。講師と張り合っても意味がありません。 


外部講師に語ってもらうことに
意義があります!

 社長さんが良くご存知のことであれば、社長さん自ら全社員を集めて話をする機会をつくればよいのです。わざわざ費用を出して、講師を招いて研修会を開く必要などありません。社長さんは、いつでも社員に話をする機会を作れる立場にあるのですから、気がついた時、相手を選び、タイミングよく話をすれば、研修会を開くよりも効果があると思います。

  今回の研修会の講師の話は、社長さんの年齢と経験からすればすべて理解できる、分かり切った内容だったと思います。社長さんが日頃語っている部分もありました。しかし、社員には年齢や経験に相当ばらつきがあります。若い社員にとっては、初めて聞く内容も多かったと思うし、中堅社員にとっても知識を整理する上で、分かりやすい話し方だったと思います。

 講師を招いた研修会は、社長さんの経験ものとは違った話が聞ける場です。講師の話は、社長さんのいつもの話と近い内容だったとしても、別な視点からの新鮮味のある話として、興味深く聞けるチャンスです。社長さんがいつも語っている話の意味を、講師の話を通して社員によく理解してもらう上でもいい機会です。これが外部講師を呼んで行う研修会の意義です。
  社長さん! 社長さんのいつも社員に語る話の素晴らしさはよく理解しております。どうか講師を招待しての研修は、静かに聞こうではありませんか。「シメシメ、俺のいつも言いたい話をしてくれている」といういい気持ちに浸りながら、周囲に座っている社員の顔つきを余裕を持って見回して下さい。特に、社長さんのコメントは必要はありません。社員の皆さんは、講師の話を通して、社長さんへの理解が深まり、社長さんへの尊敬度も高まることになると思います。(2007.8.31中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
エグゼクティブ・コーチングの効用は
あなたの受容能力次第!

 大企業、中小企業を問わず、トップクラスへのエグゼクティブ・コーチングに本当に効果があるかどうかを問われ、ジャック・ウエルチは「コーチの質によるが、おおむねイエスだ。優れたエクゼクティブ・コーチは、あなたを直視して、実に貴重な経験を与えてくれるものだ」と言っている。
 そして、例えば「あなたはトップのくせに、自分の些細な成功体験を鼻をかけ、自慢話が多過ぎる。謙虚さが感じられない。社員の話をじっくり聞こうとしていない。社員を指示通り動かそうとしているだけで、社員のやる気や自主性に無頓着だ。社員は一見従順だが、表面をつくろっているだけのうおうだ。それでいて、あまり出来の良くない社員やその取り巻きに振り回されているところがある」等と、誰も言ってくれないような耳の痛い、不愉快なことも率直に言ってくれるものだと語っている。
 しかし、ジャック・ウエルチは「その後は、聞き手のあなたの問題だ。エクゼクティブ・コーチがきちんと役割を果たしたとしても、その最終的な価値の大きさは、あなたの受容力に応じて大きくもなれば、小さくなるということだ」と釘をさしていることを忘れてならない。


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