日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

お客様に感謝される
強い営業をめざして!

  営業社員は、お客様の要求や要望を理由に社内に無理を言う傾向があります。営業社員はお客様の意向をできるだけ聞いてやろうとします。特に当月の売り上げ目標が未達の場合、少し無理を聞いてでも注文をとりたいと考えます。こうして本来受けてはいけない値引きや緊急配達等の要求を受けてしまいがちです。要求すべき輸送費を自社負担で配送することを約束してくるようなこともあります。
 社内で営業活動をサポートする社員は、営業社員に振り回されていると言う思いが強くなります。会社としては、営業社員と営業サポート社員が意志疎通を図り、どうしたら弱い営業から脱皮できるか、お客様に感謝して貰える強い営業をめざして一緒に考えるようにしたいものです。


お客様対応は
営業とサポート部門の一体化体制で!
 お客様に弱い営業は、他の会社でも見られますが、社長さんの会社では常態になっていませんか。無償の緊急配達等は減ってきていますが、この際、営業社員の「買ってってもらうには、少々の犠牲は仕方がない」という弱い意識は見直されなければならないと思います。。

 これについては、会社として営業部門と営業をサポートする部門が意志疎通を図り、今後の対応をはっきりさせることが重要です。営業としてお客さんに本来要求すべきこと、お客さんからの要望や要求でもおかしいと思っていることについて、今後当社として、どう対応すべきか話し合ってみましょう。
 お客様の中には、注文を出してやっているという傲慢な態度で高飛車に営業社員に当り散らす人もいます。営業社員は、こうしたお客を相手に、夏は暑い中、冬は寒風の吹きすさぶ中走り回って注文をとっているわけです。営業社員には、社内で働く社員には理解し難いご苦労もあるのです。こうした状況の中で、営業社員は孤立し、ますます弱い営業になってしまい、やがてはお客様へのサービス低下、不満につながり、注文が減ったり、取引中止になったりすることにもなりかねません。

 先ずは、弱い営業からの脱皮であり、そのためには営業社員とサポート部門社員との一体化体制づくりが不可欠です。営業社員が、社内のサポート部門へ無理なお願いをする場合には、感謝の言葉が必要です。サポート部門は、営業社員のご苦労をねぎらう気持ちが大切です。こうして双方が一体となって、会社としてのお客様への対応体制をつくる気持ちが肝要に思います。双方の意識の調整は、社長さんの役割です。(2007.8.5 中小企業診断士加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
社長のリーダーシップで
お客さまに弱い営業からの脱皮を!

 「日本版6シグマ」では、顧客への製品や商品の提供にあたり、「VOC:顧客の声」に耳を傾け、品質の維持向上、納期の順守、クレームへの速やかな対応を図る上で、顧客別に基本戦略をつくる。営業部門は、こうした基本戦略の作成と実施に当たり、会社の窓口としての役割を果たさなければならない。
  先に、GE社の「6シグマ」をリードしたジャック・ウエルチが強い営業に求める「4つの力」を紹介した。第一は顧客が何を必要としているかを感じ取ることができる力。第二は顧客、会社両方から信用してもらえる力。第三はビジネスを伸ばしたいという意欲、勇気、自信。第4は顧客のためにチャンスを探し、自由に動き、考え、提案できる力。
 しかし、多くの営業社員はお客様に頭を下げ下げ注文をもらっているのが現実である。しかし、営業社員を孤立化させてはならない。中小企業にあっては、営業は会社の命運を握るもっとも重要な仕事である。営業社員だけでなく会社の総合力で強い営業を目指すべきである。特に社長のリーダーシップで、顧客別に品質や納期に関するクレームや要望を整理し、営業戦略上の基本課題を設定し、会社としての強い営業基本路線を明確にすることである。
 会社としての強い営業基本路線こそが、中小企業の明日を約束する。ジャック・ウエルチが言うようにもっとも評価される営業社員は、営業基本路線を理解し、実績を上げている社員である。2番目は営業基本路線を理解してはいるがなかなか実績が上がっていない社員である。しかし、ジャック・ウエルチは、実績を上げはているが、営業基本路線に関心がない社員よりはマシだと言う。勿論、最もダメな営業社員は、営業基本路線も理解していない、実績も上げていない社員である。


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