日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

 お客様の苦情には
素直に耳を傾けましょう!

 先日、社長さんの会社を訪問した際、お客様が受付の女性社員に大きな声で怒鳴っている姿を見かけました。女性社員は、ただ小さくなって下を向いているだけでした。近くにいた年配の社員も見て見ぬ振りのようでした。対応の仕方が大変気になりましたのでご一報します。
  事業をしておりますと、いろいろなことでお客様からお小言を頂戴したり、苦情が舞い込んだりします。この対応を誤ると信用を失うだけでなく、大きな経済的損失に繋がる場合もあります。お小言や苦情の原因は、いろいろありますが、事情を十分説明していない、説明したつもりでも十分理解されていない場合がほとんどです。


苦情への対応如何では
お客は離れてもいくし、フアンにもなってくれる
 苦情を言ってくるお客様は、感情的になっている場合がほとんどです。先ず、このお客様の言い分を十分聞くことが大切です。お客様がどんなことで感情を害されているのか、何に怒っているのか、何を要望しのかを正しく把握することです。
 電話の場合は別として、応接室へ案内するなど素直に聞く姿勢が重要です。「忙しいので早く結論を」という姿勢を示してはいけません。できればお茶のサービスをして、高ぶった感情を静めていただくことです。
  最初から「そんなことはない」と否定的な態度で対応を始めると決して良い結果にはなりません。「またか?」と言うような素ぶりを見せると、最初から聞く耳を持たないと益々感情を悪くしてしまいます。
 例え、以前と同じような苦情だとしても、今度のお客様の場合、現象や事情が違うかもしれません。理由はともかく、お客さまの御社に対するの心が壊れてしまっているのです。お客様の壊れた心の修理が大切です。先ずは、お客様の心が壊れた原因に素直に耳を傾けることです。そうすれば、お客様の怒りも少しは和らぎ、当方の話も聞いてもらえるようになります。お客様との間で解決しなければならない問題もはっきりさせることができます。
 お客様の苦情や怒りに真剣に取組み、信頼関係を強固にできた例はたくさんあります。対応の仕方如何では、お客様は御社から離れてもいくし、御社のファンにもなってくれるものです。(2007.6.21
 中小企業診断士加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
顧客の苦情や怒りから
自社の内部問題「CTQ」を解決する!

 「日本版6シグマ」の基本は、@顧客の声「VOC」を重視し、A製品やサービス十の品質目標「GQ」を設定し、B品質不良で放出される、将来の機会損失も含めた無駄なコスト「COPQ」を極限にまでゼロに近づけるために、C経営から現場まであらゆる業務上の問題「CTQ」を絞り込み、E6シグマ課題「SSP」を設定し、解決するという組織的な問題解決活動である。
 一般に、顧客の苦情や怒りは様々である。しかし、製品やサービスの品質に顧客の心象を損ねる位大きい問題があるという事実をおろそかにはしてはならない。自社に問題はないのか、その原因を積極的に広く探すべきである。そうした原因は、ものづくりや営業の現場のみならず、経営の意志決定のあり方の問題にも深く関係している場合があるからである。
 「日本版6シグマ」は、こうした顧客の苦情や怒りを深刻に受け止め、自社の内部問題、即ち「CTQ:Critical To Qurity」を広く、深く探り、「6シグマ課題」を設定し、根源的な解決を図ろうとするものである。経営トップのリーダーシップのもと、「何のために、何を、どのように、いつまで解決すべきか」を明らかにした「6シグマ課題」への全社的な取り組みによって、会社を強くし、その結果として、顧客との信頼関係を強くすることができると考えるからである。


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