日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

新しい顧客開拓で
1社の取引金額占有比率を30%以下に!

 新聞で報じられているようにどのような大企業でも、いつどのように経営状態が悪くなるかわかりません。取引関係の常識としてよく知られていることですが、1社の取引金額占有比率は、30%以下に抑えておきたいものです。
 社長さんへ、この目標は、もっと低いところに抑える努力をしたいものです。自社の基準として、目標は厳しく設定し、有力な新しい取引先の開拓を優先させましょう。 


経営者が新しい取引先を探そう!
 取引先がよほど特別の関係でもない限り、経営面でいろいろ面倒を見てくれる時代は終わりました。
 特に、担当者が替わることはよくあることです。担当者が替われば取引の考え方も変わります。それまでに築いた人間関係が継続されるとは限りません。
 中小企業では、経営者によって事業継承の仕方も大きく変わります。現在は、個性的な経営者が強いリーダーシップを取るところが多く、経営者が替われば取引先も変わる場合が多く、従来通りに取引を継続してくれるとは限りません。企業の取引方針はいつ変更になってもおかしくはないのです。
 また、取り扱う製品によっても異なりますが、できるだけ広い業種との取引を心がけたいものです。業種によっては好況、不況の波の変動が大きいものがあります。特定の業種への依存度が高いと、その業種が低迷状態になるともろに影響を受けます。取引先の業種も多くしておきたいものです。
 結局、大事なことは、一社の取引が消滅したとしても問題が大きくならないように、取引占有率を一定以下に抑える対策が必要だということです。

 営業担当者は、一般的に開拓精神があり、広い付き合いができる能力を持っているものですが、不得意な人もいます。中小企業の場合、営業担当者に経営者から新規開拓の権限が与えられていないケースも多いようです。社長自身はまかせているつもりでも、営業担当者が新しい顧客と取引を始めて良いかどうか迷うケースもあります。特に、与信の問題もあり、営業担当者が動き難い面もあります。新しい取引先の開拓は、経営者が営業担当者と一体となって積極的に動くようにしたいものです。(2007.6.7中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
プロの営業マンに求められる
4つの能力!

 大企業、中小企業を問わず、最優先すべき「6シグマ課題」は、一般に「売上を伸ばす」ことである。中でも「新規の顧客」をいかに開拓するかである。社長のトップセールであれ、営業担当者の売り込みであれ、それは並べて営業マンとしての「プロ的な能力」にかかっている。
 「GE版6シグマ」で、ジャック・ウエルチは、誠実さ、知性、ポジティブなエネルギー、決断力、実行力といった企業のすべての職種に求められる一般的な特質に加えて、営業という業務には、社長から一般の担当者まで、次の「4つの特質」が求められるとしている。最高のプロの営業マンにとっても、売上の伸びは最優先事項なのである。

 第一の特質は、顧客の考えていることを感じることができる共感能力である。最高の営業マンは顧客は何を必要としているか、どんなプレッシャーにさらされているかを理解し、いかなるビジネス案件も、顧客の視点で見ることができる。彼らは売り込みの場面で、会社のために営業し、利益を上げたいと思っているが、会社の利益と顧客の利益のバランスをとるフェアな取引に天才的な能力を発揮する。
 第二は、営業マンとしての信頼性である。取引の開始は、これからの長期にわたるいい関係づくりのための一部であり、顧客にとって彼らの言葉は信用できるということである。
 第三は、過酷な飛び込み営業ができるだけの意欲、勇気、自信である。最高の営業マンはビジネスを伸ばしたいという一心で、つらい飛び込み営業に身を投じる。拒絶されても、自分自身が拒絶されているわけではないと受け止める精神的強靭さを持っている。
 第五は、最高の営業マンは、既存の製品や商品をいつもの顧客に売るだけでなく、取引先や自社の利益になるチャンスを探し出すのが好きである。彼らは顧客から会社にアイデアを持ち帰るのが仕事の一部だと信じている。


back