顧客の
無理な要望に応えてこそ!
例えば、お客様からの要望を本当に真剣に検討してきているでしょうか。「コレはうちが扱う製品ではない」とか「技術的に難しすぎる」とか「精度がきつすぎる」等と断ってはいないでしょうか。
注文先も全く畑違いのとんでもないものは要望してはこないはずです。板金加工関連であれば、少なくともそれに近いもので、畑違いの樹脂成型品などを言ってくることはないでしょう。「こんなもんがが欲しいのだが、何とかならないか」と期待を込めて相談してくれるのではないでしょうか。
御社にとって、少し無理な注文と考えられる場合こそ、技術力をつけ、売上を伸ばすチャンスです。社員に集まってもらって、何とか対応できないかを検討させてはどうでしょうか。「精度の要求が高いが挑戦してみよう」と先輩社員が言い出すかもしれません。「構造が複雑だが、少し納期を伸ばしてもらってやってみよう」となるかもしれません。
勿論、このような要望に対応する為には、社員も大変です。残業や徹夜を覚悟しなければなりません。社員全員、常に新しいものに挑戦する意欲も持ち続けなければなりません。もし、自社で対応できなければ、相談できるネットワークを持たねばなりません。あらゆる方法を考えて対応する覚悟が必要です。
顧客に密着した一点集中、接近戦の営業課題は、訪問する密度を濃くし、顧客の要望を積極的に引き出し、応えることで信頼関係を築くことです。その上で注文を他社に絶対にとられないことです。他社へ移ってしまった注文を戻すには大変な労力が必要になります。
むしろ他社からもぎ取るくらいの密度の濃い売り込みをしたいものです。更にそのお客から新しい取引先を紹介して貰えるようにすることです。そのためには、顧客と顧客に紹介してもらった会社とその会社の取引先との関係について十分配慮する必要があります。
悪意はなくても、これまでの取引関係を引き裂こうとしているわけです、担当者からは警戒されますし、敵視される場合もあります。常識と言われればそれまでですが、細心の注意を払いたいものです。一点集中で、他社の仕事をもぎ取る積極性、大胆さは大事ですが、信義を忘れない配慮もしたいものです。(2007.5.10 中小企業診断士
加藤文男)
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