日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

中小企業には
マーケティングは必要ない?!

  先日お会いした際に、社長さんは「うちは中小企業だからマーケティングなどは関係ない」とおっしゃっていました。しかし、本当でしょうか。確かにマーケティングという言葉は、大量に製品を生産し、販売する大企業で良く使われています。マーケティングは、売れるものをつくり、お客に買ってもらう仕組みをつくることです。売り上げを伸ばしたい中小企業こそ真剣に取り組むべき課題です。
 売上高は、顧客数と顧客別販売数量・単価で計算されます。売上高を挙げるためには、@お客様に買ってもらえる製品・商品を揃えること。Aお客様に何度も買ってもらうこと。Aできるだけ高い単価で買ってもらうこと。B新しいお客様を増やすこと等が考えられます。
 以上のことは、会社を大きくしたいという社長さんにとって、真剣に取組まなければならないマーケティング活動そのものです。


中小企業だからこそ
小回りの良さを強みに!
 お客さまからの注文や要望は決して断らず、売上高を伸ばしている中小企業があります。その会社は、お客様の購買部門として機能することを方針としています。
 一般に、注文を断る理由として数量が少ないことがあります。御社ではどうでしょうか。社内に数を少ないことで暗に注文を断ったり、製造部門が不平を言う風潮はないでしょうか。このようなことがあると、営業担当者は、色々と理由をつけて断ってしまう場合があるのです。

 注文数が少ない場合には、段取りに時間がかかり価格が厳しくなるのは当然です。きっちり見積もり計算をしなおして、適正な価格を提示しなければなりません。説明をきっちりしないで適当に曖昧にして断ったような雰囲気でおしまいにすると「あの会社はやる気がない」と受け取られるのが普通です。
 このようなことが二度、三度続くと、相談もされなくなるどころか、本来の注文さえこなくなり、取引も停止となることがあります。中小企業だからこそ、小さな注文や要望に誠意を持って応える力が求められす。少ない注文を小回り良く受注することで信用が上がり、小回りの良さが強みとなって受注を増やしている企業もあります。

 大量生産品は、価格の点で中国にはどうしてもかないません。最近では、ベトナムも強い競争相手になってきています。しかし、電気製品や機械設備等を組み立てる工場では、輸入部品の納期遅れや欠陥で困ったケースがたくさんあります。日本の国内企業に注文した方がトータルコストで割安と判断され、注文が戻ってきている例もあります。小回りが利き、対応が早い国内企業の方がトータルコスト面でも評価できるとしてされているわけです。中小企業は、これらの動きを良く見ておいた方がよいと思います。中小企業が生き残るために、中国やベトナムではできないことをこなすことができる実力が大切です。(2007.5.3 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
顧客との信頼関係づくりは
「スパン=ゼロ」の取り組みから!

 中小企業の経営革新にあって、「日本版6シグマ」は接近戦、一点集中営業で、顧客ニーズに焦点を合わせた「6シグマ課題」への取り組みを重視している。
 中小企業にとって大事なことは、将来の経営の拡大と安定化の鍵を握る有力な顧客に対して、目をそらさぬよう最大限の努力を尽し、パートナーとして育てて貰える、顧客の紹介もしてもらえるような信頼関係を作り上げることことである。
 その鍵を握るのは「スパン」という概念である。「スパン」とは、製品の納入からクレーム処理、顧客からの様々な要望に対する対応まで、どの程度の信頼性をもって応えられるかを測る尺度のことである。つまり、顧客と約束した納入日と実際の納入日との誤差である。
 「日本版6シグマ」は、「スパン=ゼロ」をめざして、各業務部門がそれぞれ立場で総力を上げ取組む、全社的な問題解決活動であるということができる。 


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