日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

補助金には頼らないで下さい!

 社長さん、補助金は大変魅力的に思われますね。良く理解できます。融資と違って、返す必要のないお金ですから、いつも資金繰りに頭を使われている身になってみれば当たり前だと思います。
 しかし、補助金にあまり頼らないで下さい。民間の機関が出す補助金ば別ですが、SBIR、新連携など政府や各行政機関の補助金は制限が多いのです。国民の税金を使うのですから、当然といえば当然の話ですが、この制約を忘れないで下さい。


本当に必要な設備は
融資を受けてでも購入した方が効果的
 一般論の話ですが、補助金の使途は研究開発や調査など未開発のテーマの場合には有効ですが、一度開発が終了してしまうと受けられなくなるのが普通です。また、量産用など営業用に使用する設備には使えないのも条件の一つです。開発用にと申請すれば、出来上がった設備を量産には使うことはできません。もし、量産用に使用するとその補助金は、返却しなければなりません。

  また設備は、開発用に製作しても資産として管理する義務が生じます。大型機械の場合には、工場にとっては、保管スペースを必要とする上、生産に使用できないのですから無用の長物になる危険性もあります。

 どうしても資金的に問題がある場合には、事業により設備の貸与制度や設備に限定した貸付、又は、リースの制度を設定している行政機関もあります。この制度については行政機関により、また年度により施策が変わりますのでよく調査して有利なものを探したいものです。

 このように補助金の制約を考えると、本当に事業の強化、拡大に必要で効果が大きい設備については、補助金などに頼らず、融資を受けて導入する決心をした方が効果的です。
 社長さん自身の事業に対するシビアさも違ってきます。社員も「社長が思いきって導入してくれた設備だ」として、効率のよい運転を工夫してくれると思います。また、長持ちするように大切にメンテナンスもしてくれるようになると思います。(2007.5.3 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
中小企業の思い切った設備投資は
事業戦略を明確にする絶好のチャンス!

 「GE版6シグマ」で、ジャック・ウエルチは350ほどにおよぶ事業について、「勝てるギャンブルに投資し、負けるギャンブルには投資しない」として、戦場となる市場を吟味し、技術的にも優位に立てる事業を絞り、大胆に投資する「No.1、2事業戦略」を打ち出した。
 日本の中小企業にあって、思い切った設備投資は事業戦略を明確にし、会社全体で思いを新たにする絶好のチャンスである。社長の「世界に通用する事業をめざす」「業界トップをめざす」「取引先に対して全体優位の地位を固める」という決意のもと、多額の融資を受けてでも生産体制を強化することにしたという経営方針は,中小企業であるからこそ、社員に社長の本気度をアッピールする力があるにちがいない。
 確かにこのことが、社長自身の事業に対する取組みをよりシビアにし、一方社員も「社長が思いきって導入してくれた設備だ」として、効率のよい運転を工夫し、長持ちするよう大切にメンテナンスもしてくれる」ということにつながっていくはずである。


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