日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

中小企業だからこそ、
スピードで勝負できるのです!

   先日、久しぶりに訪問した折り、御社の開発した大型機械を見せていただきました。しかし、半年前とあまり変っていないのに逆に驚かされました。開発に少し時間が掛かりすぎているように思えます。半年もあれば、開発した新システムを実験検討し、改善も相当できたはずです。前回お伺いした際に、毎日のように夕方会議を開き、各自から仕事の内容を報告してもらい、問題点について、討議しているとお聞きしまた。それにしては、この半年間の進歩は良く見えません。 
 10人足らずの企業では、社長さんは誰が何をしているか、その仕事振りがわかります。良く見ていれば、与えられた仕事の完成予定も読めるはずです。しかし、そうした事情がわかっているだけに、安易に流れているということはないでしょうか。わかっていればこそ、無理も利かせられるるものです。中小企業だからこそ、いざとなったら無理を承知でスピードアップを司令できる社長さんであってほしいと思います。


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 社長さんにこの事実を知らせ、指摘をしましたが「わかりました」というだけでリーダーに任せきりで対策を打ちませんでした。確かにリーダーは古手の幹部ですから、社長さんの信頼も厚く、任せたいのは判ります。大企業での経験も十分あるようですから、安心して任せておられたのだと思います。彼は年齢のせいもあったのでしょうか、客観的に急がなければならない仕事でも、すばやく判断し、部下に行動させることができないようでした。

 同じような機械のアイディアは、よその会社で考えているといっても良いのです。1日遅れれば、競争相手もそれだけ進歩し、勝つことが難しくなります。

  今は、大企業でももっと決断が早く、すばやい改善、改良が行われています。社員にもっとスピードを上げるように発破をかけてください。檄を飛ばしてください。社長さんが決断すればできるのですから、大勢を見て判断してください。
 年配の方であろうと古手の幹部であろうと、社長さんは遠慮してはいけないのです。社員は、社長さんの言動を良く見ています。中小企業に置いてはスピードが勝負です。社内の事情を気にし過ぎて、発破を掛けたり、檄を飛ばすタイミングを逸しないでください。

  さて、新しい年度が始まりました。今年度も昨年に増して良い実績を残したいものです。経営革新とよく言われますが、年度始めは良い機会です。中小企業にとってスピードが大切なことを改めて訴えましょう。(2007.4.7
中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
実行手順書による進捗管理会議の実施を!

 「日本版6シグマ」のOS「BSTプログラム」には、経営目標を実現するために、各部門別に「6シグマ課題」を設定し、その解決に向けて「実行マスタープラン」を作詞するラウンドがある。
 ここでは、「6シグマ課題」の解決のために、部門全体で「誰が、何のために、何をどのように、いつまで、 どう 取り組むか」を明確にし、「リスク対策」も織り込んだ、無理なく確実に成果を出すことができる「実行手順書」をデザインする。
 スピードの問題は、「6シグマ課題」を「いつまでに」解決するか、その期限を設定する問題である。根拠なく急いでも絵にかいた餅になってしまう。先ず、「6シグマ課題」そのものをいつまでに解決しなければならにか、いつまでの解決したいかを決める。その上でスタートからゴールまで、具体的な業務の分担、実行の流れを「ホップ・ステップ・ジャンプ」のプロセスに沿って手順化する。

 しかし、計画通りにいかない時どうするか。部門責任者のリーダーシップのもと、「実行手順書」に帰って、あくまでも本来の期限順守を前提とした「進捗管理」が求められる。特に具体的な業務の分担、実施施状況、結果を確認し、必要に応じて、具体策、実施時期、担当者の見直しを行う。
 実行が遅れたり、行き詰まっている場合、理由を明確にし、遅れを取り戻すあるいは局面を打開するための「具体策」を「実行マスタープラン」上で協議し、設定しなおす必要がある。
 定期的に「進捗管理会議」を持ち、「具体策」の設定状況、実施状況を確認し、課題を明確にし、「実行計画」をより確かなものにすることを通して、担当責任者が「成果を出す、マネジメント力を上げる」ことにつながる「動機付け」、「元気付け」になる指導を行う。これが、「スピード管理」を前提とした進捗管理である。


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