日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

 利益が出た時には
従業員に元気を出してもらえる配分を!

 社長さん! 今年度の売上高倍増と予定の利益が確保できる見通しが立ち、本当に良かったですね。景気が回復してきたとは言うものの、予定通りの利益を確保することは本当に厳しいのが現状です。これも、今まで社長さんが築いてこられた顧客との信頼関係によるものです。
 社長さんが日頃から気にされていた品質と納期に対する取引先からの絶大な信頼が注文拡大に結びつきました。これは何物にも代えることのできない大きな財産です。ぜひ大切にしたいものです。
 さて、ここが考え時です。今期は従業員も相当がんばってくれました。注文に追いつくために、夜遅くまで残業もしてくれました。今後もこの好業績が続くことは難しいかもしれませんが、今回の利益を従業員にどう配分するかです。大事なことは社員に感謝の意を表し、これからもがんばるぞという気持になってもらえる利益配分の方法をを考え、上手く実行することです。


利益は賞与の形で配分を!
 社長さんが言われるように、利益を給与に反映させてしまうと将来への不安もあるでしょうから、賞与の形で配分するのが良いのではないでしょうか。来期も又無理をお願いしなければならないかもしれません。そのためにも従業員への配分を忘れないで下さい。
  従業員は良く見ています。彼らの多くは、「いくら利益が出ても、俺たちには回ってこない」と不満を持っているのが普通です。今回の利益は、社長さんの経営力で確保できたものですが、従業員あっての結果でもあります。今回は是非、賞与の形で配分し、ともに喜び、元気とやる気を分かち合いるようにしたいものです。
 そして、賞与を渡す際には、一人一人に「ご苦労さんdした、今後もがんばってくれ」と直接声をかけて上げて下さい。また、「無駄使いしないで有効に使うように」とお話されたらいかがでしょうか。これからも利益が出た時には、思い切って効果のあるお金の使い方を考え、実行したいものです。ぜひご検討ください。(2007.3.16 中小企業診断士 加藤文男) 


「日本版6シグマ」からの提案
ジャック・ウエルチは
ストックオプションという報酬制度を重視!

 ジャック・ウエルチは、「GE版6シグマ」の展開にあたって、社員を元気づける「業績評価」を重視し、そのためには日頃から「今後、何を達成したいか、目標を達成する上でどんな障害があるか、彼らを元気づけるものは何か、何が彼らの足を引っ張っているのか」といった双方向の対話を頻繁に持つことが重要だと説いている。
 そして、社員を元気づけるのは、最終的には業績評価に基づいた「報酬体系」であるとして、規模の小さい、あるいはベンチャー的な企業に見られる業績に直結した賞与やストックオプションによる報酬制度を導入した。
 特に、あらかじめ決められた価格で株式を購入し、業績向上で株価が上昇した時点で売却益を享受できるストックオプションを受け取る社員を増やしていくシステムを確率した。
 ジャック・ウエルチは、「GE社には通貨は一つしかない。それはGE社の株式だ」、さらに「社員が持つ価値ある通貨は一つ、それは社員にとっての共通の価値体系としてのGE社の株式だ」と言っている。ジャック・ウエルチは、ストップオプションという報酬制度こそが、GE社という船に乗って、一致団結し、リズムをあわせて働こうという強いインセンティブを全員に与えらることができると確信したのである。


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